目指せプロパパ! 俳優・三浦翔平が子育ての疑問や悩みを本音で語る新連載!
MOTHERS編集部プロママからのレクチャー企画第一弾!眠りのプロに聞く! 理想的な寝かしつけの方法とは?
小脇 ここからは三浦さんの子育ての悩みをもとに、プロの方からアドバイスを受ける形で進行させていただきます。今日はねんねのプロ! 日本人初の米国IPHI公認「妊婦と乳幼児の睡眠コンサルタント」として、数々の眠りの悩みを解決してきたMOTHERS編集部デスクメンバーの愛波文さんが解決します! 今回の悩みについて、まずは具体的にお話ししてもらえますか?
三浦 先ほども話した通り子どもの「眠り」について悩んでいます。うちの子は、音に敏感なようで、ちょっとした音に反応して起きてしまうんです。あとは、抱っこじゃないと寝てくれないので、いつも抱っこして寝かしつけているんですが、もう体重的にもそろそろ限界で。
愛波 まずは三浦さんの寝かしつけですが、他のパパに比べてもすごく協力的だと思います。寝かしつけまでできるパパはなかなかいませんから。素晴らしいですね。寝かしつけの方法について、もう少し具体的にルーティンを教えてもらえますか?
三浦 寝室に行くことが嫌なことと思わせないように、まずはお気に入りの車のおもちゃに乗せて、一緒にベッドに向かいます。それから一緒にベッドに入って、僕も横になります。寝たなと思ったら、ベッドからそ〜っと離れるんですが、気づかれると泣き出してしまうので。泣き出してしまったら抱っこをして、廊下をひたすら往復してゆらゆらして……。その状態で寝かしつけをします。それでも夜中に目覚めてしまうことも。それが一番の悩みです。
愛波 まず添い寝の仕方ですが、添い寝をしてても悩みがなく、親子ともに夜通しぐっすり眠っていればそのまま続けていただいてもOKですが、三浦さんのお子さんみたいに夜中起きてしまうことがあったり、抱っこの寝かしつけで悩んでいたりする場合は、一人で寝られる習慣をつけてあげるとよいでしょう。1歳をすぎたら、成長のためにも夜通し寝ててほしいです。抱っこをして泣き止ませるにしても体力的に限界が近づいてきますね。
三浦 対策として体力作りは欠かさないようにしていますよ! 筋トレと思って!(笑)
愛波 それももちろん素晴らしいんですけど、ママは無理ですよね(笑)。三浦さんは、睡眠環境やルーティンなどの睡眠の土台が整っているので、あとは一人で眠れるように促してあげることだけ! 寝かしつけの際には、一緒にベッドに横になることからやめていきましょう。
三浦 それも何度か試そうと思ったのですが、泣き出してしまうんです。
愛波 泣くのがかわいそうと思わず、親子共にぐっすり寝ることの方が大事なんです! 子どもにとっても、今の状態はぐっすり眠れていない状態なので実はそっちの方がかわいそうなんです。最初は気持ち的に不安があるかもしれませんが、お子さんのため、家族のためになりますので一貫性をもって続けてみましょう。いきなり離れるのは難しいので、最初は横に座って見守るだけでOK。とんとんしてもいいのですが、もう寝そうという瞬間にはとんとんをやめていきましょう。次のステップとしては、とんとんはしないように、お子さんに触れないようにしていきましょう。そのときに、親のほうに寄ってきたり、触れたりしたら、3回目まではOKにして、ここでねんねとお子さんの寝床(マットレス)をとんとんして誘導してください。それでもまだ親のところに来てしまう場合は、「また来たら一度部屋を出ないといけなくなるよ」と伝えてみましょう。そして来てしまったら、伝えた通り、5〜10秒ほど部屋から出てみましょう。そしてまた部屋に入り、同じことを繰り返してみましょう。しっかりと言ったことは実行することが大切なので、部屋から出ると伝えたらきちんと出ましょう。そして、その後は数日ごとにお子さんとの距離を離していき、最終的にはドアの外から見守るだけで一人で寝るようになってきます。
三浦 ちなみにどれくらいの期間が必要ですか?
愛波 1歳すぎていると時間がかかることがありますが、2、3週間ほど見ていただければと思います。月齢が低いと数日間で習慣づけることが可能です。ただし個人差があるので、すぐにできる子もいれば、時間がかかる子もいます。一度ルールを決めたら、一貫性をもって続けることを心がけましょう。
正しい睡眠には寝室の環境づくりが重要!
三浦 夜中に起きてしまった時の理由についても知りたいです。
愛波 夜中に起きてしまう理由として考えられることは3つあります。1つ目は「昼寝をしっかりとってなく疲れすぎていること」、2つ目は「昼寝から起きて、就寝までの起きている時間(=活動時間)が長すぎて疲れすぎてしまっていること」、3つ目は「抱っこ・授乳・とんとんなどの寝かしつけのクセがあること」です。
三浦 保育園が休みの日に夜中起きてしまうことがあるので、昼寝の時間が短く疲れすぎていることがあるかもしれませんね。この前、保育園が休みの日にめちゃめちゃアクティブに動いたんですね。そしたら夕方寝てしまい、夜寝られなくなっちゃいました。
愛波 わかります! しっかり昼寝をしていないと夕方ぐずったり、癇癪を起こしたり、抱っこしたらすぐ寝ちゃったりするなど、気づいたら寝ちゃってたってことありますよね。夕方寝てしまうのは就寝時刻が遅くなってしまい体内リズムが狂ってきてしまうことがあるので、しっかりと早めのお昼寝をさせてからアクティブに運動し、早めの就寝のほうがよいでしょう。でも、もし疲れすぎてしまい夕方寝てしまったら、30分ほどで起こし、少し就寝を遅めてもよいですが、翌朝はいつも通りの時間に起こしましょう。そうすることで体内リズムを整えていくことができます。
三浦 参考になります。他にはどのようなことに気をつけるべきですか?
愛波 夜に就寝したら、朝までぐっすり寝られる習慣をつけること。朝になったら自然に起きられるようになるのが理想的です。そのためには夜は9時頃には寝る習慣をつけること。最近では遅寝・遅起きの子どもも増えていますが、睡眠のリズムが整っていないと成長ホルモンの妨げにもなりますし、これが常習化されると、小学校にあがったときになかなか朝起きられない子になってしまい学業にも影響がでることがあります。
三浦 そうなんですね! 遅くなることは、学習面でもよくないのですね。それは改善しないとですね。理想的な睡眠習慣をつけるコツってありますか?
愛波 まずは就寝1~2時間前には食事やお風呂を済ませること。どちらも直後は交感神経が活発になっているので、すぐに寝つけないんです。あとは良質な睡眠を取るために、寝室の環境を整えることも重要です。寝室は光が入らない真っ暗な状態にして、冬でも温めすぎないように涼しい環境に整えておくこと。
三浦 確かに! 明るさに関しては経験済みです。子どもの寝つきが今以上に悪かったときに、何がいけないんだろう? と思って、寝室のちょっとした隙間の光を遮ったら改善されたんですよ。あとは、湿度や、温度にも気をつけています。
愛波 ちょっとした光に気づけるなんて本当にすごいです。光は、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌量に大きく影響しています。そしてメラトニンをしっかり分泌させるためには、幸せホルモンとも呼ばれているセロトニンが重要になります。これをしっかり分泌させるためには、日中の太陽光を浴びる習慣が重要です。温度に関しては、子どもは体温が高いので、大人にとってはちょっと肌寒いなと感じるくらいが実はベストなんです。
三浦 冬だからってあまり厚着させない方がいいんですね。ちなみに今は妻と3人、寝室のベッドに川の字になって寝ているのですが、これはアリですか? 欧米などでは子どもでも1人で寝る習慣がある印象で、どちらがいいんだろう? と思っていて。
愛波 実は米国小児科学会は1歳までの一番安全な寝床は親と同室で別の寝床と伝えています。だから欧米でも同室の家庭が多いですが、安全のため同じ寝床ではありません。安全であれば川の字で添い寝も全然OKです! もう1歳を過ぎているので掛布団や枕などがあっても大丈夫です。今までのお話からしても、三浦さんの場合しっかりルーティンがあったり、ふれあいの時間もとっているのであとはお子さんの安全な睡眠環境を確保し、寝かしつけの方法を改善すればパーフェクトです!
三浦 睡眠は子どもの成長だけでなく、学習面にも大事であることを知ることができました。寝かしつけの練習は今日からさっそくチャレンジします! でも子どもが泣いているのに耐えられるかなぁ……。(と、取材後に愛波さんに「もしどうしても泣いていてかわいそうって思ったら抱っこしていいですか? ダメですか?」と何度も聞いていた、優しすぎるパパ三浦翔平さんでした! 愛波さんのご回答としては「しっかり昼寝をさせていればギャンギャン泣くことはあまりないと思いますが、もし泣いていたらもちろん抱っこしてもOKですよ!」とのことでした。)
<良質な睡眠環境のポイント>
・寝室は暗い環境にするため、遮光カーテンや足元を照らす暖色系のナイトライトを利用しましょう。
・室温は涼しいくらいの空調に。理想は通年20-22℃。冬は18-20℃になってしまう場合は暖房+加湿をしましょう。
・湿度は40〜60%が理想です。
三浦翔平
1988年生まれ、東京都出身。
2008年にテレビドラマ「ごくせん第3シリーズ」
2011年に映画「THE LAST MESSAGE 海猿」で第34回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞した。
近年ではドラマ「M 愛すべき人がいて」、「あのときキスしておけば」、「ハコヅメ」
その他、FM NACK5「It‘s 翔 time」ではラジオパーソナリティ、
今後は、2月11日に公開される人気コミックを実写化した映画「
また、初挑戦となるミュージカル『カーテンズ』
<今回担当したMOTHERS編集部プロママメンバー>
愛波 文
日本人初 乳幼児睡眠コンサルタント。
IPHI日本代表。Sleeping Smart Japan株式会社代表取締役。慶應義塾大学教育学専攻卒業。2012年に長男出産。夜泣きや子育てに悩んだことから乳幼児の睡眠科学の勉強をはじめ、米国IPHI公認資格(国際認定資格)を日本人で初めて取得。2015年に次男を出産。現在、2人の男の子の子育てをしながら、企業やイベント講演を行うほか、子どもの睡眠に悩むママ・パパ向け睡眠・子育て・教育について配信する愛波LIVEコミュニティを運営。IPHIと提携し、オンラインで妊婦と乳幼児の睡眠コンサルタント資格取得講座の講師も務めている。著書に『ママと赤ちゃんのぐっすり本』(講談社)『マンガでよむ ぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方』(主婦の友社)、監修書に『ママにいいこと大全』(主婦の友社)がある。
文・三輪順子