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【道端ジェシカ×編集長 小脇美里】スペシャル対談 「全てのママたちに伝えたいこと」


13歳にモデルデビューしてから、数々のファッション誌やコレクションなど第一線のモデルとして活躍。そんな圧倒的な存在を誇る彼女も、2017年に出産をして、現在では3歳になる女の子のママに。
現在ではロサンゼルスとハワイを拠点に、SNSではナチュラルなライフスタイルを発信して注目が集まっています。そんな彼女の子育てについて、MOTHERS編集長・小脇が同世代ママの代表としてお話を伺ってみました。

「子育てはいくつになっても未知数」

小脇:ジェシカさんといえばMOTHERS読者と同世代、しかもトップモデルとして活躍されていた憧れの存在。これまで子育てについてほとんど語られていなかったので、聞きたいことが山ほどあります。

道端ジェシカさん(以下、ジェシカ):まだまだ私自身、新米ママだと思っていますが、なんでも聞いてくださいね。

小脇:ありがとうございます! では最初に海外での子育てについてお伺いさせてください。そもそも海外で子育てをしようと思ったきっかけは? 出産される前から海外を飛び回っていたので、それらの経験を踏まえての行動だったのでしょうか?

ジェシカ:それは単純に夫がアメリカ人で、生活拠点がロサンゼルスだっただけのことです。海外で子育てをしたいと思ったわけではなくて、パートナーとの生活を第一に考えてのことですね。

小脇:そうだったんですね。では、実際に海外で子育てをしてみていかがですか? SNSを拝見すると、楽しそうな姿がたくさんアップされているのが印象的でした。

ジェシカ:そう言ってもらえると励みになりますが、実際のところはやっぱり大変でした。もちろん、今でも大変なことはたくさん。だって子どもが何歳になっても、子育ては未知の世界ですからね。

小脇:MOTHERS読者のアンケートでも同じような言葉をよく耳にします。ちなみにジェシカさんが特に苦労されたのはどんなことでしたか?

ジェシカ:私の場合は産後の睡眠不足。全然寝てくれないし、夜泣きも多かったの。出産後で体が疲れているから本当にキツかった! あとは家族や友人は日本にいるので、離れて生活していることが寂しいし心細かったです。家族や友人のサポートを受けながら子育てしている人がすごく羨ましかったな。それと私は完母(完全母乳)だったんですけど、粉ミルクに頼れば良かったって、今では少しだけ後悔しています。

小脇:完母だったんですか!? そうなるとずっとそばについていなくちゃならないですよね。私も上の子は母乳メインで育てていましたけど、第二子のときは体力的にも厳しかったのと、母乳もあまり出ないこともあって、生後半年でミルクに切り替えました。本当に母乳かミルクかで、こんなにも自分自身が悩むだなんて思ってもみなかったです。

ジェシカ:わかります。私の場合は母乳がたくさん出たから20ヶ月間続けていたけど、今振り返って見るとちょっと頑張りすぎていたなって。娘は母乳しか飲んでくれないタイプだったので、誰かに預けることもできなくて。私も、少し離れるだけでも不安になっちゃっていました。

小脇:ジェシカさんってストイックなイメージがあります。だから子育ても完璧にこなしているとばかり思い込んでいました。

ジェシカ:そうなんです、元々はすごくストイックで努力をしてきたタイプ。でも子育ては決して完璧ではないし、完璧にはできないなと学びました。子育てしていて思ったのは、子どもはママのちょっとした感情も俊敏に察知してしまうんですよね。だからまずは私自身がリラックスすることはとても大切なんだなって。今まで力みすぎてしまうところがあったのだけど、子どもが生まれてから少し肩の力を抜けるようになりました。

「自分のしたいことはガマンしない。自分も楽しみながら子育てしたい!」

小脇:ジェシカさんの意外な一面を垣間見た気がします。ところで、ジェシカさんってどんなお子さんだったんですか?

ジェシカ:家族6人(父・母・兄・姉・私・妹)だから一般的には大家族の部類に入ると思うんですが、内向的で物静かな子でした。家でも大人しく過ごしていたかな。外で遊ぶのは好きでしたけどね。あとは上に兄と姉がいて妹もいる環境だったので、周りの様子を見て合わせるというか……ある意味要領は良かったかも。

小脇:4人兄弟の真ん中だったんですね。それはすごい。

ジェシカ:海外ではミドルチャイルドって呼ばれていて、同じような特徴の子が多いみたいですね。でも聞き分けが良くて手間がかからないから、他の子に比べると親から構ってもらえない。それはちょっと辛かったな。うっすらではあるけれど、子ども時代の悲しい思い出として記憶に残っています。だから自分の子どもには「どんな些細な言葉でも子どもの声に耳を傾ける!」って決めて常に子どもの目線になって対応するようにしています。

小脇:そんなジェシカさんのお母様は、道端3姉妹を立派なモデルに育て上げたお方。物心ついた頃から「モデルになりなさい」と言い続けたと伺っていますから、子育てはさぞかし熱心だったのでは?

ジェシカ:モデルになるためのサポートは実感していたけど、ステージママみたいなことは一切なかったです。むしろ母自身、自分の時間も楽しみながら子育てしていたんじゃないかな。「子育ては全然大変じゃない。あなたたち4人を授かれて私は本当に幸せよ」って言い続けていて、記憶の中にある母はハッピーそうだった。でも、実際は4人の子どもを仕事もしながら、ちゃんと育ててくれたんですよね。私なんて1人で悲鳴あげているくらいなのに!(笑) 子を持つ身となって、改めて自分の母親の偉大さに気づかされました。

小脇:しかも今よりも不便なこともたくさんあるし、仕事を持つ母への偏見だって多かったはずですよね。

ジェシカ:そうなの。それでも母は仕事も家事も完璧で、毎日食卓には美味しい手料理が並んでいたから。だけど母のすごいところはその一方で、自分のしたいことも精力的にこなしていたんですよね。例えば当時はやっていた“エアロビ”のレッスンは、いつも私と妹が一緒に通っていたんですよ。

小脇:エアロビ教室に? 一緒にレッスンしていたってことですか?

ジェシカ:そうじゃなくて、教室のすみっこで母のエアロビ姿を見学しているの。まだ私たちが修学前で預ける場所がなかったからって。すごいでしょ? 他にも自分がやりたいことはガマンしないし、母が行きたい場所に私たちを一緒に連れて行くんです。私たちもそれが当たり前だったから、当時はなんとも思わなかったけど、今考えるとすごい行動力だなって。

小脇:面白い! でもその子育てを楽しみながら、自分も楽しむという発想とても素敵です!

ジェシカ:でしょ? だから私も自分のやりたいことはあんまりガマンしないようにしています。ワイキキでショッピングしたかったら一緒に連れて行っちゃう。もちろん子どもには「ママ、ここでお買い物したから一緒に入らない?」って必ず相談するようにして。そうすると最近は、娘も一緒になってお買い物を楽しんでくれるようになってきました。二人の共通の楽しみになっています。

「子どもの感性や直感を尊重した子育てが理想」

小脇:その方がストレスを溜め込まずに楽しく子育てできそうですよね。そんなジェシカさんのお子さんも今年で3歳です。どんなお子様に育っていますか?

ジェシカ:本当にあっという間ですよね。彼女は私に少し似ていてちょっぴり人見知り。でもいろんなことに興味を持っていて、元気よく、健康でイキイキとした毎日を過ごしています。

小脇:それはやっぱりナチュラルな生活を心がけているからですか? そういえば某オーガニックコスメの方と話していたら、日本にオーガニックコスメを浸透させたのはジェシカさんだっておっしゃっていました。雑誌に「モデルの私物公開」企画ってよくあるじゃないですか。そこでジェシカさんが頻繁にオーガニックコスメを紹介していて、それがブームのきっかけになったらしいです。

ジェシカ:わぁ、すごくうれしい! 今でもオーガニックなものは好きだし、夫も同じ思考の持ち主なの。だから生活の中でオーガニックなものや、ナチュラルなものを取り入れるのは私たち家族にとってスタンダードなことになっているかもしれない。だけど、あまり神経質になりすぎないようにはしています。

小脇:生活の中にスタンダードとして根付いているというところが素敵です。

ジェシカ:唯一気をつけているのは、子どもにはなるべく私の手作りのものを食べさせるようにしていること。私自身、母親の手料理を食べて育ってきたことを、心から感謝していること、あとアメリカの食生活って、どうしても量も多いし、ジャンクなものも多い。子どもの味覚って大人以上に感覚が研ぎ澄まされているので、そこは今のうちから尊重してあげたいな、って。まだまだ好き嫌いも多い時期なので、なるべく色々な食材・味に触れさせて食事をする楽しさも伝えられたらいいなと思っています。

小脇:食の部分でも、子どもの意見を大切に尊重しているんですね。他にはどんなことを意識していますか?

ジェシカ:彼女はアートがとても好きで、朝ご飯を食べたらすぐにお絵かきに没頭しちゃうタイプ。これからスクールに通うようになったり色々とやることも増えたりしてくるだろうけど、彼女のアーティスティックな部分はずっとサポートしていきたいねって夫とも話しています。別にそれが職業と結びつかなくても良くて、彼女自身が豊かな人生を送るためには彼女の好きなことを尊重し、伸ばしていくのはとても重要なことだと思っているんです。

「出産してからは、スタイルキープよりもスタミナキープ第一!」

小脇:すごく芯の通った子育てビジョンを聞くことができて、とても参考になります。そして産後も変わらずスタイルキープされている。同じママとして本当に憧れます。

ジェシカ:実際のところ、子どもを産んでからはあまり運動していないんですよ。むしろ理由をつけて怠けているくらい(笑)。出産して子育てがスタートしてからは、スタイルキープよりも元気を取り戻したいってことしか頭にないもの。ただ、ハワイは海水浴やランニングしやすい環境なので、スタミナをキープするために体を整えています。本当なら、エステに行って産後のマッサージケアなどを受けたいけど、ハワイってあまりそういう施設がないの。

小脇:日本には産後のボディメニューがいろいろありますよね。でも、実際に利用できる時間がなかなかないのが現実です(笑)。

ジェシカ:確かにそうですよね。ママが自分のことのために時間を割くことに罪悪感を感じるってことだよね。その気持ちすごく共感する。

小脇:そうなんです。子どもを預けて自分のことをしていいのかな? と考えだすと結局なんか罪悪感を感じてしまって。でも、ジェシカさんでもそう感じるんですね!

ジェシカ:感じちゃいます。だからいまだに、子どもを預けてエステに行く時間が取れない! でも、マッサージを一番必要としている人って、間違いなくママですよね(笑)。

小脇:本当、間違いないです!

ジェシカ:ママが自分のための時間を持って精神的にも健康でいるということは、結果としては子どもの幸せにもつながると思う。それにママになっても、いくつになっても自分を磨くことは大切だから、責める必要はないんですよね。たまには自分を甘やかしてあげる時間も必要ですよね。

「成人してから続けているチャリティ活動について」

小脇:少し話を変えて、チャリティ活動についてお伺いさせてください。以前から国連難民キャンプの募金に取り組まれていたり、数多くのアクションを起こされたりしていますよね。MOTHERS編集部ではSDGsの取り組みにも積極的に力を入れているので、ぜひお話を伺いたいです。

ジェシカ:きっかけは20歳になったとき。母から「成人になったから心の惹かれる団体を見つけて寄付を始めてみたら」って言われたんです。実は私の母もずっとチャリティ活動をしていました。そこで母からいくつかのパンフレットを渡されて、その中から直感的に選んだのが国連UNHCR協会だったんです。それからは他の団体にも寄付しています。自分のできることなんて微々たるものですが、これからもできる限りのことを続けていきたいですね。

小脇:寄付だけでも素晴らしいことなのに、実際に難民キャンプ訪問もされていますよね。

ジェシカ:2011年にネパールのブータン難民のキャンプを訪問させてもらいました。そこで話を聞かせてもらった子が当時19歳で、難民キャンプで生まれてずっとキャンプで育っているってことを知ったんです。つまり、どの国からも受け入れられていなくて無国籍状態。そんな人生があることを知ったのも初めてだったし、想像もできなかったからすごく衝撃的でした。

小脇:ネットで検索すればそのような現実があることは理解しているけれど、日本にいるとその情報にすらなかなか辿り着けないですよね。ジェシカさんのような影響力がある人がアナウンスすることには、とても意味があると思いますし、ジェシカさんを通して知ることで何か他の人がアクションを起こすきっかけにもなりますよね。

「パーマカルチャーで学んだSDGs活動、そしてママがもたらす社会の役割」

小脇:他にもSDGsな活動で何か挑戦していることはありますか?

ジェシカ:ちょうど最近、パーマカルチャー(パーマネント(永続性)と農業(アグリカルチャー)、文化(カルチャー)を組み合わせた言葉で、人と自然が共存する社会をつくるためのデザイン手法)のスクールを受講し終えたばかりなの。最初はガーデニングなどが好きだしという気持ちで勉強し始めたんですが、この考え方は人間関係やビジネスにも直結しているということに気づき本当に勉強になりました。

小脇:農園業を通じて持続可能な社会システムをデザインすることは理解していましたが、さらに広い意味を持っているとは知りませんでした。

ジェシカ:私も。だって趣味であったガーデニングを極めるために通ったのがきっかけですから。でも学んでいくうちに、自然と調和するための環境づくりや、人・企業の在り方も重要ってことがよく分かったの。

小脇:人としての暮らし方そのものってことですね。

ジェシカ:そう。それと、このスクールの先生が話していたことで、すごく心に刺さった発言があったの。「ベビーシッターと、一般企業の社長。どちらがこの世の中で重要視されるべきだと思う? それは、間違いなくベビーシッターよ」って。

小脇:それはなぜ?

ジェシカ:「これからの世界を作り上げる人を支えているから」と先生が答えていて、その発想にすごく感動したんです。それって、子育てをしている私たちにも言えることだから。

小脇:そうですよね。ママって実は最高の仕事をしているし、すごくクリエイティブ。そのことを世界中のママたちは心に留めておいてもらいたいですよね。

ジェシカ:でも、日常の子育てに没頭するとついつい忘れちゃうのよね。だって、ママは24時間ずっと働いているんですから! 「賃金をもらっていないから仕事じゃない」なんていう声がいまだにあるけど、“ママ”ってそれだけでもう本当に立派な仕事ですから。

小脇:本当にそうですよね。日本では「専業主婦」なんて呼び方もいまだにありますが、どんな仕事よりも一番重労働で、一番クリエイティブで、一番責任のある、そして一番楽しい最強の仕事ですよね。そのことに多くのママやママを取り囲む周りの人が気づいてくれたらいいな。それでは最後に、ジェシカさんと同じく育児に奮闘しているMOTHERS読者にメッセージをお願いします。

ジェシカ:これまで日本人として生活してきて、海外生活もしてこなかった私が、アメリカで子育てをしています。そこで感じたことは、ママの悩みは世界共通なんだということ。子どもへ愛情があるからこそ、悩んでいる。でも私が伝えたいのは、どうか一人で悩まないでということ。辛い時は自分から手をのばして、周りにいる人に助けを求めること。そして、そのときに自分自身に罪悪感を感じないこと。誰かにヘルプを求めるということはすごく健康的なことですから。

小脇:どうしても我慢しちゃうことが多いママにとって、とても心強いエールだと思います。今日は本当にありがとうございました。

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