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2020.10.02

SDGs

まずは自分が楽しみながらアクションを! #ママ的サステナブル

地球で起こっている問題は、私たちの選択と繋がっている

気候変動、貧困、飢餓、クリーンエネルギー……。
「うわ、問題が大きすぎて、自分ひとりが何かやったところで変わるのだろうか」。
これは昨年夏、猛暑にいよいよ危機感を感じ、「SDGs〜世界を変えるための17の目標〜」について本格的に調べ始めた時の私の心の声です。

でも、昨年と今では私の意識は大幅に変わりました。
なぜかというと、その時から、暮らしの中でできることからアクションを起こし、「地球で起こっている問題は、私たちの生活(選択)と繋がっている」と実感を通して解ってきたからです。

 

生ゴミの多さに愕然。「コンポスト」を通して理解したこと

特に今年3月、子どもたちの休校が始まり、ごみの量の多さに愕然としました。特に生ごみ。
1日3食、家族の食事を作って出る生ゴミを毎日捨てながら、いろいろなことを思いました。「この焼却によるCO2排出量って一体どれぐらいになるんだろう」「それって地球温暖化を更に増長させてるよね」とか、「そしたら年々猛暑や気候変動の問題は大きくなるよね……」とか。

そこでずっと気になっていた「コンポスト」を始めました。
都会でも、ベランダの片隅でできるように開発された「LFCコンポスト」。
それまでごみ箱に捨てていた生ごみを基材の中に入れ、かき混ぜ、を繰り返すこと約3週間。その後は生ごみの投入をストップし、約3週間熟成させます。
その間、基材の中で何が起きているかというと、微生物や虫たちが一生懸命働いてくれて、生ごみを分解し、栄養たっぷりの堆肥に変えていってくれます。

そしてこの堆肥をプランターに移して、野菜やハーブの種をまき、良い土から良い食べ物や食物が育ちます。そしてそれは私たちのからだの一部となる。料理で残った野菜の切れ端などはまたコンポストに投入。全ては「循環」しながら成り立っていたことが解りました。

 

これを約半年間続けながら、真から理解したことは、そもそも「生ごみ」というものはないということ。

私たちが「生ごみ」と思い込んでいただけで、それは本来土に還るもので、貴重な資源になるということ。
慣れていないと「気持ち悪―い!」と言いがちな虫さんがいなければ、堆肥の分解ができず野菜も育たないということ。
LFCコンポストによると、家庭から出る生ごみの量は、年間1000万トンだそうです。個人的に調べたところによると、焼却炉で1トン燃やすために約4〜5万円かかる。そしてその半分が税金だということ。便利さの裏に無駄と悪循環が生まれていたのだと解りました。

そもそも生ごみとされるものの約90%は水分。その燃えもしない水分も一緒に可燃ごみに出して焼却をし、CO2を排出している。
少なからずそれは、地球温暖化や異常気象を引き起こしている要因の一つにはなっていて、屋根やクーラーがある家に住み守られている私たちよりも、地球上の貧困地域に真っ先に影響がいく。彼らは先進国に比べて暮らしの中でCO2を排出していないというのに。

 

「体験」が本当の理解に繋がる

ステイホーム中に、行動範囲は半径数メートルでも、意識はどんどん拡大し、あらゆることに繋がっていきました。

まずは、「知る」ことから。そして「繋がり」に気づくことから。
でも、本当の理解には、「体験」がついてまわるということも、今回改めて感じました。

例えば、LFCコンポストに毎日投入する生ごみの量は、約300gとされています。
でも、何も気にせず野菜の皮や種、残り物などをバンバン捨てていたら、あっという間に300g以上になります。
そこで自分なりに工夫しようとなるわけです。野菜の皮や切れ端でベジブロスを作ってみようとか、作った後はミキサーで細かくしてスープに入れて、もっと一物全体で頂いてみようとか、残り物を捨てないように作りすぎず適量を知ろうとか。

自分が楽しく行動で示していると、家族も気づき始めます。
ごみ捨て担当の夫は「ごみがかなり減ったね」。
子どもたちは好奇心の塊だから「これなに? やりたーい!」。

 

特に子どもは体験を通して、自分で何かを感じるのが一番だと思います。
「ご飯を残すともったいないし、世界には食べたくても食べられない子がたくさんいるんだよ」「生ごみとされるものは本当は栄養たっぷりの土になって、その土が栄養たっぶりの野菜を作ってくれるんだよ」などと言葉で伝えるだけでは、漠然としすぎてほとんど響かない。
まず自分がアクションを起こして、それを楽しそうに取り組んでいることを「見せる」。
半年間続けている中で、我が家の子どもたちも、なんとなく繋がりに気づいていっているようです。

 

私の「ママ的サステナブル」。それは毎日の暮らしから。
「自分から変わるんだ」と決め、ひとつひとつの選択・行動を意識的に、できることから。
そして、子どもに「教えよう」とするのではなく、まず自分がやっているところ見せる。

これからも子どもたちとどんな気づきや学びがあるか、楽しみながらアクションを起こしていきたいです。

浅倉 利衣

コラムニスト。
食・教育・ウェルネス・エシカルを中心に発信。

コラムニスト。
食・教育・ウェルネス・エシカルを中心に発信。

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