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2021.12.23

MYSELF/自分のコト

世界で一番厳しい水際対策の果てにたどり着いた日本 #2021年どうだった?

2021年は何だったのか?

はっきり言って2020年2月から2021年10月までの記憶が飛んでしまっています。

思い出そうとすればなんだか雲の中を歩いているような、ぼんやりした感じがします。あれは現実だったのか? いやいや悪い夢だったのではないか?

息を潜めるようにひっそりと暮らした1年8ヶ月。まるで戒厳令のようなロックダウンが半年近く続き、街を歩く人はひとっこひとりいなくて、たまにいたと思ったらガスマスクをしていて。スーパーに行けば人数制限で、真冬の氷点下で2時間待ち。

そうだった。やっぱりこの1年8ヶ月は確実に存在したのです。そして私たちの「当たり前」を一変させました。

今回は私が経験した「コロナ以前と以後の世界ってこんなに違うんだ」をぜひ共有したいと思います。

不要不急ってこういうこと

11月は2年ぶりに日本に帰っていましたが、日本の水際対策はものすごく厳重で夢にまで出てきたほどです。

まずワクチン証明書が必要で、次にアメリカ出国72時間前のPCR陰性証明が義務付けられています。この陰性証明書も特定の書式を使っていないと弾かれます。また「きちんと約束を守ります」という宣誓書に署名します。これがないと飛行機に乗れません。

ここまでですでに「ものすごく大変」感があるのですが、こんなのは序の口です。日本到着後は係員の先導に従って所定の椅子に座って書類検査があります。ここで書類に不備があれば入国は叶いません。おそらくそのままUターンなのではないでしょうか?

書類があったとしても、今度は携帯電話をチェックされます。そこにMySOSという居場所確認アプリを入れることが義務付けられています。これは何かというと、14日間の自主待機期間中のいわば脱走防止アプリです。

毎日4回から5回ほどアプリから連絡がきます。すぐさま「ちゃんといます」というボタンを押さないといけなくて、万が一登録した待機場所以外からボタンを押した場合は「いますぐ待機場所に戻ってください」という警告メールがきます。これを無視したり、ボタンを押さないことが何度か続いたりするとアプリからではなく「人」から電話が来るそうです。

そして最悪の場合は脱走危険人物として厚生労働省のウェッブサイト、果てはYahooにまで名前と住所が載るそうです。これまでに48人の名前が掲載されています、とありました。

とにかく命を繋ぐ活動以外は一切外に出られない。

そしてこのアプリは自由の身になるための命綱です。「使えなかったらどうしよう!」と不安になりますが、すごいのは空港で係の人がちゃんとアプリが機能しているか、また使い方を教えてくれることです。さすが日本。厳しいけど至れり尽くせりなのです。

でもここで終わりじゃない。今度は到着後のPCR検査があります。ここで陽性だったら上陸できないそうです。だからワクチン2回に加えブースターもやっているとはいえ、ものすごくドキドキでした。

ここまでやって初めて日本に入国できます。3時間から5時間かかると言われますが私の時は着陸から3時間でした。そしてそこから10日間の待機があって、14日から10日に短縮するために今度は自費(3万円!)でPCR検査を受けます。

でも14日経っていない人はオンラインで予約が取れず電話で予約することを求められます。20回以上電話してやっとつながりました。

そして陰性証明を受け取ってそれをアプリに登録してようやく自由の身になれます。それは上陸後11日目のことなのです。

日本の水際対策は世界で一番厳しいのではないでしょうか?

それまでは「あ、明日日本に行こう」と思ったらすぐ飛行機に乗って、成田についたら30分もかからず日本に入国できていました。もちろん検査も書類も何も必要じゃありません。成田エクスプレスだってリムジンだって使えます。

10日間の自主隔離中も筋トレ実践

そこまでして入国した日本

ネット環境が整っていないために顔を見ることもできない80を過ぎた両親に2年以上会わないのはものすごく不安で、この水際対策を承知の上で帰国しました。

Was it worth it?

はい。愛する家族に会えた喜びは何ものにも代え難いです。体調を崩したことから心配で帰国したのですが、両親が支え合って生きてきた姿を見ることができて安心しました。

2年ぶりの福島の空

私の場合はアメリカにいてコロナ禍で飛行機も飛んでいなかったから諦めもつきましたが、日本にいらっしゃる皆さんは行こうと思えば行けるのに行けない状況にあって、本当に苦しかったと思います。

2022年は愛する家族にもっと自由に会える年になります。きっと。

新連載のための取材で写真撮影

 

ボーク 重子

非認知能力を育む子育てのパイオニア。
革新的手法で評判のライフコーチ・作家。
Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。

非認知能力を育む子育てのパイオニア。
革新的手法で評判のライフコーチ・作家。
Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。

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