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ボーク 重子

非認知能力を育む子育てのパイオニア。
革新的手法で評判のライフコーチ・作家。
Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。

非認知能力を育む子育てのパイオニア。
革新的手法で評判のライフコーチ・作家。
Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。

MOTHERS編集部 スペシャルインタビュー《ボーク重子》

 

「全米最優秀女子高生」の母として一躍有名になったライフコーチのボーク重子さん。その子育て方法が注目されています。ボーク重子さんが伝えるのは、「非認知能力を育む子育て」。重子さんから直接「非認知能力」について学べるオンラインサロンは、毎回大好評で倍率はなんと100倍! 「非認知能力」を育むにはどうしたらいいのか? 人気殺到のオンラインサロンでしか聞けないお話を今回特別にMOTHERS編集部インタビューで語っていただきました。

 

非認知能力を育てるには、ママの自己肯定感をあげることが大切

――重子さんが発信の活動を始められたのはいつ頃からですか?

44歳のときです。実は、ずっと本を書きたいという夢がありました。その夢を叶えるために企画書を書いて出版社に持って行ったら全部断られてしまって(笑)。その中で出会ったある人に「ブログだったら、自分の言いたいことがすぐ発信できるよ」と言われて、すぐにいろんな女性の生き方について話す「askshigeko.com」(現在は閉鎖)を立ちあげました。

 

――重子さんと言えば、「非認知能力」という言葉がまず浮かびますが、「非認知能力」とはそもそも何なのでしょうか。

「非認知能力」というのは、人間力とか生きる力。点数や偏差値のように数値化できない目に見えない力のことを言います。それは例えば、自己肯定感・自信・回復力、やり抜く力、柔軟性、想像力、社会性、共感力、自制心、主体性、……。こう聞くだけでも、必要だと思うことばかりですよね。

今、グローバル社会は学力だけではなく、学力プラスαに移行しています。このプラスαとなるのが「非認知能力」なんです。これからは、学力とともに非認知能力が育まれたお子さんが伸びていく社会になっていきます。なぜなら非認知能力は変化の激しい時代を生きるために必須だからです。また「人生の幸せと成功に大きく寄与する」こと、そして「学力向上に役立つ」ことが証明されています。

 

――重子さんから見た、日本の子育てとアメリカでの子育ての違いはなんですか?

アメリカの子育てと日本の子育てで決定的に違うのは、「ママとはこうあるべき」というのがアメリカでは多様化しているということ。アメリカはなんでもありなんです。例えば、「こうあるべき」があったとして「それに当てはまらないから何?」という考え方。

完璧な家事育児ができて、いつもニコニコしていて、おまけにキラキラという「良いママとはこうあるべき」は誰かが決めた幻想です。子育て中にイライラしないなんてありえないし、寝不足でボサボサ頭だって普通。自分が笑顔でいられるような自分にとっての「正解」な子育てができればそれでいい。「良いママ」という幻想を捨てちゃうママが増えていけば素敵だなと思っています。

 

――重子さんの発信は、ママたちのパワーになりそうですよね! 日々、SNSでも発信をされていますが、その中で意識していることってありますか?

ママたちが、より自分らしく自信を持って、「自分は自分でいいんだ」と思って生きていけるメッセ―ジを発信することです。「生きる」って素晴らしくも大変なこと。良いことよりも大変なことのほうがたくさんあるし、常に「こうあるべき」というプレッシャーを感じるから。その中で、親となって子どもを育てていくって、かなり自分が試されます。だからこそありのままの自分を受け入れ、そこに価値を認め、大切にして愛して欲しい。そんな自分を肯定する力、自己肯定感がママを笑顔にし、子どもを笑顔にします。そして子どももありのままの自分を愛する自己肯定感を身につけていきます。私はそれが世界最高の子育てだと思っています。

 

――重子さんは非認知能力を育む子育てコーチングを主宰していますが、それは一体どのようなものなのでしょうか?

非認知能力を育む上で一番大切なのが、非認知能力を体現するお手本、ロールモデルの存在です。教えるのではなく、やって見せることで導くことが基本です。学校では先生が生徒の非認知能力を伸ばすために手本を見せます。家庭でのロールモデルは親になります。

非認知能力は家庭でこそ最も効果的に伸ばすことができると言われています。なぜなら家庭の影響は教師の質の230倍とも言われているからです。日本も教育改革・大学改革で非認知能力の育成にシフトしていますが、なかなか進みません。だからこそ家庭での非認知能力育児が重要となります。その一助となればという思いで「ボーク重子の非認知能力を育む子育てコーチング」プログラムを立ち上げました。

子育てと言いながらも、最初に訓練するのは親の非認知能力です。非認知能力を育む教育の基本はロールモデルの存在ですが、私たち子育て世代には非認知能力という言葉すらありませんでした。だからどうやって手本になればいいのか、導き方がわからない。それで親がロールモデルとなれるように、先に親の非認知能力を訓練します。次にそれを子育てに落とし込んでいきます。

プログラムは3ヶ月ですが、最初の1ヶ月で親の自己肯定感を徹底的に高めていきます。自己肯定感は非認知能力を育むための要となるからです。2ヶ月目は自分からやる子を育てるために親の主体性・パッションを鍛え、3ヶ月目に論理的思考と問題解決能力で結果を出す行動を身につけていきます。子どもは親をとてもよく観察しています。非認知能力を身につけていく親を観察しながら、自らの非認知能力を高めていきます。

 

子育てをしたことで、人生を2倍生きたような気持ち

――重子さんにとって、子育ては人生の中でどんな経験になっていますか?

素晴らしい質問ですね! 私は子育てをしたことで、人生を2倍生きたような気持ちでいます。子どもを育てるということは本当に試されることの連続です。自分の限界や許容範囲を試されることばかり。子どもは日々成長していくけど、私も一緒に成長していくことが大切だということに気づかれました。そういう意味でも、子育て期間は、自分を育てる素晴らしい時期だったなと思います。ママとして精神的な子育ては一生続いていきますが、娘は21歳ですでに家を出ているので、物理的子育ては終わりました。そして今子育て後の人生を歩み始めましたが、そこで思うのは子育てを楽しみながらも自分の人生を止めない、それが子育て後も自分らしく生きていくことにつながる、ということです。

子育てって本当に大変。でもあっという間です。その後には長い子育て後が待っています。だからこそ自分も育てていく。私自身、いろんな思いを抱えながら55歳まで生きてきたので、その経験を共有して、今をがんばるママたちの応援団となっていきたいと思っています。

 

――親も成長しないといけない……。すごく沁みる言葉です。重子さんは最初から完璧な子育てをされていたというイメージがありますが、もしかして失敗経験もあったりしますか?

もちろん失敗の連続! 私は、本当に娘に許されて親になったという感じです。娘に育てられて物理的な子育てが無事に終了しましたという感じかなと思います(笑)。子育てをしていると、本当に考えさせられることが毎日あります。人間だから感情が爆発することってあるじゃないですか? そういうときに自分を正当化したくなるのが人間ですよね。なんだけど、親であっても、間違ったときには謝るべきなんだとか、素直に謝る親はかっこいいなと見方を変えるとか、たくさんのことを失敗して学びました。みなさんが、子育てで躓いたと思うことがあったとしたら、私はそれを全部経験していると言えます(笑)。私の本には、科学的データに基づいた子育ての鍵のみならず、私の失敗から学んだことが書いてあるんです。

 

――「子育ての失敗は取り返しがつかない」という気持ちで子育てをしているママが多いと思うんです。その中で、重子さんの今の言葉はとても救いになると思います。

子どもって小さいから、間違ったら壊れちゃいそうな気持ちになるし、不安になりますよね。私なんてオムツの替え方も下手なママだったけど、子どもってものすごく強いです。ママがちょっと失敗したくらいじゃへこたれない。子どもってすごく強い存在なので、子どもを信じてあげて大丈夫。

失敗することって罪じゃありません。子育てはみんなが初めてのことなんだから、わからないのは普通。失敗をしたら自分を責める前にまず許す。そして、子どもに「失敗したけど、ママでいさせてくれて、ありがとう!」という気持ちでそして次に進む。できれば、次は同じ間違いはしないように。それでいいんです。

 

――子育てって、あっという間に終わるとおっしゃっていましたが、重子さんもそうでしたか?

私、10歳までは長いなと思っていたけど、10歳を過ぎたら本当にあっという間でした。きっといろんな意味で自立していく時期が10歳くらいなのかもしれないけど、本当にあっという間です。だから、一つの失敗でウジウジしていたら、その間に子どもはどんどん成長してしまいます。夫と、「私たちほんとうに子育てしたんだっけ?」と言いながら、二人で娘の小さい頃のアルバムを見て、「本当にしたのね」って話すことがあるくらいです(笑)。

 

――子どもの非認知能力を育む中では、夫婦関係もきっと大きく影響すると思うのですが、重子さんが意識されていることはなんですか?

結婚=大変です(笑)。全く違う環境で育った二人が、愛と言う名のもとに一緒に住むことになるわけですよね。私と夫が子育てをする中で大切にしてきたのは、夫婦円満であること。もちろん娘の前でケンカもすることはあるんだけど、必ず「今ケンカをしているけど、ちゃんと仲直りをするから心配しないで」と伝えることは徹底していました。あともう一つは、娘が赤ちゃんのときから、我が家は一週間に1回は30分でもいいから夫婦でデートをして、二人だけでいられる時間を意識して作ってきました。ママ、パパであることに変わりないんだけど、その前に夫婦だから二人だけになれる時間って重要です。

 

――重子さんのお話を聞いていると、これからはママが楽しんで子育てをして幸せになるということがとても大切なんだと感じました。

まさにそうです。それは、「SDGs」の一つですよね。働きがい、生きがいが重要。これからどんどん仕事を持つママも増えていくと思いますが、ただ生活のために働くというだけじゃなくて、自分の人生をフルにエンジョイするために働く。そんな働き方を目指したいですよね。

自分らしい生き方、働き方は与えられるものではなく、自分で勝ち取るものです。だからこそみなさんにはぜひそんな人生を勝ち取って欲しいと思います。そのための方法などもコーチングのスキルを交えて発信していきます。

 

――今回、MOTHERS編集部に参加していただくことになりましたが、重子さんがMOTHERS編集部でやってみたいことはなんですか?

MOTHERS編集部の取り組みって素晴らしいです。女性の経済的自立がこれまでより大事になっていく時代がきます。経済的に自立していないことで自分すら守れなくなるのは怖いし、私は、夫と娘は私が守るという気持ちでここまで生きてきました。MOTHERS編集部を通して、多くのママたちが経済的自立を自分が思うような形でできるようになっていくと良いなと思います。世界中で、これまでとは全く違ったキャリア構築ができています。その中で、物理的な子育てが終了しているからこそ見えてきたことをどんどん発信していきたいです。

MOTHERS編集部は素晴らしいプラットホームになっていくと思います。

 

 

取材・文 上原かほり