MOTHERS編集部 スペシャルインタビュー《上田 麻希子》
整理収納アドバイザーの上田麻希子さん。旦那さんと5歳の息子さんと3人で暮らすのは、76平米3LDKのマンション。「うちはサグラダファミリアだな」とご主人に言われるほど、ライフスタイルが変わるごとに模様替えを続ける上田さん。「うちは子供がまだ小さい事もありライフスタイルが変化してまだまだ未完成なんです、常に実験状態!」と話します。フォロワー数10万人を超える上田さんのInstagramでは、「今、使えるリアルな整理収納のヒント」が詰まっています。整理収納アドバイザーになったきっかけや、今後の活動について聞きました。
一度きりの人生なので挑戦してみようと思ってはじめた整理収納アドバイザー
――上田さんが、整理収納アドバイザーの資格を取ったきっかけを教えてください。
夫婦2人の生活が長く、仕事をしている時間が多かったので、出産前はあまり家にいる時間がなかったんです。ところが、子どもができて家にいる時間が増えたら、家の中のいろんなところにストレスを感じるようになりました。まず子どもがいると、どうしても家の中にモノが増えてしまいますよね。どうにか片づけたいと思いネットで「子ども、おもちゃ、収納」と検索をしたら、整理収納アドバイザーという資格を知ったんです。
それで、子どもが昼寝をしている時間を使ってユーキャンで資格を取りました。マイペースに半年くらいかけて(笑)。いざ、勉強をしてみたらすごくおもしろくなって、翌年には仕事として活動ができる1級も取得したんです。
――産後に資格を取る方って多いみたいですよね。資格を取った時点で、整理収納アドバイザーとしてお仕事をしていこうと決めていたんですか?
できたらいいな、とは思っていました。資格を取る前から、家の片づけの記録としてInstagramを始めていて、日々の記録を更新していたんです。フォロワーさんが1万人くらいになった頃からInstagramのDMを通じて、執筆や掲載依頼のお仕事の依頼が来るようになりました。その時に、もしかしたら整理収納アドバイザーとして仕事をしていくことができるかもしれないと思ったんです。
……と言うのも、実は、息子を保育園に入れようと思ったら落ちてしまって、内定をいただいていた会社をお断りしたばかりだったんです。その状態で仕事ができる環境をどのように作ろうかと考えたときに、せっかく取った整理収納アドバイザーの資格を活用しない手はないと思ったのと、一度きりの人生なので挑戦してみようと思ったんです。
――子育てをしながら、新しいことに挑戦しようと思えたのはすごく素敵ですね。
ちょうど40歳という節目だったんです。40歳を迎えるというのは、自分の中で大きな出来事でした。あと20年、30年働くと考えたときに、これまでとは全く違う職種で、何の人脈もコネクションもゼロの中で「よし! 挑戦してみよう!」と決断できたのは完全に勢いですね(笑)。
――今は、フリーランスという働き方をされているんですか?
そうです。もともとは保育園に預けて働くつもりでいましたが、思いがけずフリーランスという働き方ができることになったので、子どもとの時間を優先したいなと思っています。おそらく、最初で最後の子育てになると思うので、仕事とプライべートが半々くらいの割合でお仕事をさせてもらえる今の働き方はすごくありがたいです。
――「整理収納アドバイザー1級」という資格を取って、上田さんは実際にどのようなお仕事をされているんですか?
個人宅のお片付けサービスや、WEB媒体での執筆、企業との商品企画、雑誌の記事監修などのお仕事をさせていただいています。
――子育てをしながら資格を取って、子育てとのバランスをみながらそのお仕事内容は理想的ですね!
思いきって挑戦して本当によかったと思っています。お仕事にするきっかけとなったInstagramでは、等身大の40代主婦の日々の暮らしや、片づけ方、その時感じたことを投稿しているんですが、最近思うのは楽しく子育てするために、自分はどうあるべきかということがすごく大事だなと思うんです。お客さまのお家を片づけると、きれいになった部屋を見てみなさん表情が変わるんです。お家が整うと人生が変わるんだなということを、この仕事を始めたことで知りました。
――お部屋がきれいだと気持ちが安定しますよね。でも、忙しいとなかなか片づける時間がない……という場合は、どうしたらいいですか?(笑)。
1日でいいので片づける土台を作る日を決めればいいと思います。土台というのはどこに何を置きたいか、定位置管理って業界では言うのですがモノの住所を決めてあげる作業のことです。そこをプロに任せても自己流でもいいと思いますがそのモヤモヤした気持ちと向き合う日をあえて作るんです。
「片づけなくちゃ」と考えて、実際に行動に起こせないと、それだけで知らず知らずのうちにストレスがたまってしまうんです。片づけられないことで自分を攻めないでほしいし、どうしても時間がないとか、片づけ方が分からないという場合は、私たちのような片づけ、収納のプロに頼ってほしいと思います。
お片づけって基本の作業があるのですが、それを学校で習った訳ではないから苦手と思っている人にとってはすごく難しく感じてしまうんですよね。
「できて当たり前の家事ではないよ!」と、色々な方を見てきたからこそ言えます。
そして片づけの方法って、住んでいる家、家族の人数、子どもの年齢などなど、とにかく千差万別なんです。なので、「片づけとはこうあるべき」と断言することはできないし、絶対こうだよということもない。そういう発信をして、苦しくなる人がいたらイヤなので、私が発信するものは、「これならできる」とか、「こうすればいいんだ」というような、誰かの暮らしの小さなヒントになればいいなということを意識しています。
これからは、「ライフスタイルアップコーディネイター」として活動します
――確かに、ママたちってできていることより、できていないことで自分を評価してしまいがちですもんね。
そうなんです。私もそうでしたが、どうしても減点評価をしがちですよね。でもママをして、子どもを育てているだけでも、それだけで本当にすごいんだ! と、もっと自分に自信を持っていいのではと思っていて。そして「お片づけ」をするって、その人の人生の一部を見せてもらうことだなと最近感じることが多々あって。この人や家族が毎日、どう暮らしているのかとかが見えてくるので。一緒に片づけをして、暮らしやすい環境を作ることで、同時にママにとっての快適な生き方も一緒に考えていけたらいいなと最近は思っています。
――いろいろな視点から、物事を捉えられているんだなという印象を受けました。そんな上田さんが、今後挑戦したいことや、目標としていることはなんですか?
例えば、「40歳になる」って、やっぱりネガティブなイメージを持つ方が多いと思うんです。でも実際になってみたらものすごく楽しいし、40歳だからこその生活スタイル、ファッション、メイクの楽しみ方があるんです。そういったことも一緒に発信していけるように、これからは「ライフスタイルアップコーディネイター」という肩書きで活動していきたいなと思っています。何事にもチャレンジする気持ちを忘れずに過ごしていけたら新しい自分と出会える気もしています。
――そういうポジティブな発信をする方が増えると、これからの自分の人生に希望が持てる人が増えそうですね。では、MOTHERS編集部としてやってみたいことはなんですか?
私自身が自分の枠を乗り越えて新しい一歩を踏み出したように、世の中の女性たち、ママたちには、枠にとらわれない生き方をしてほしいと思っているんです。MOTHERS編集部には、「その人が自分らしく生きてきた結果、こんな素敵な人生になった」というモデルケースになるような方がたくさん揃っているので、きっとそれが選択肢の一つとして伝えられるのではないかと思うんです。
私もまだまだ模索中ではありますが、その努力をしている今の姿も含めて、MOTHERS編集部が提案する「ママたちの新しい生き方」を体現できれば嬉しいです。