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浅倉 利衣

ライフスタイルプロデューサー。
食・教育・ウェルネス・エシカルを中心に発信。

ライフスタイルプロデューサー。
食・教育・ウェルネス・エシカルを中心に発信。

MOTHERS編集部 スペシャルインタビュー《浅倉 利衣》

 

 

新卒でエルメスジャポン株式会社に入社し、販売、バイイングを10年担当。その後、ミスユニバースジャパン 元ナショナルディレクターのイネス・リグロンのパーソナルアシスタントに。そんな華麗な経歴を持つ浅倉利衣さんが辿り着いたのは、ライフスタイルプロデューサー。その中の一つの活動、浅倉さんが主宰する発酵食のワークショップには「私も一歩踏み出したい!」という女性たちが集まります。結婚・出産を経験し、ママとなったことで見えてきた浅倉さんらしい生き方についてお話を聞きました。

 

娘を生んだことが食に携わることになったきっかけに

――浅倉さんが、食の世界に興味を持たれたきっかけを教えてください。

長女を出産してから食に対しての考え方が大きく変わりました。独身時代は、それこそ食べたいものを好き勝手に食べてきたけど、子どもに食べさせるとなると食品について詳しく勉強したいなと思ったんです。長女の偏食が気になっていた時期に、知人が腸内環境に特化したSmart Food協会を立ち上げるということでインストラクターの資格を取ってみることにしました。学べば学ぶほど食や体と心の仕組みがわかって楽しくなり、他の人にも伝えたいたという気持ちが湧いてきたので講師として教えることに。もともと接客の仕事をしていたこともあって、人に何かを伝える、お勧めするのが好きなんだと思います。

 

――Smart Food協会認定インストラクター資格を取得したことで、新たな活躍の幅を広げられたんですね。

そこで学んだことを活かして個人でもSNSの投稿をするようになったら、講演依頼をいただくようになりました。『Stokke』が離乳食シリーズを開発するときのレシピ提案だったり、企業やブランドの講演に登壇したり、メディアでの連載のお仕事をいただくようになりました。食とは全く無縁の仕事をしてきて、娘を生んだことで食に携わることになった私が、今までの体験を基に食や食と幸せの関わりなどについて発信をすることで、「私でもできるんじゃないか」「ちょっとトライしてみようかな」と背中を押す存在になれたらなといいなという思いで活動していました。

 

――インストラクターの活動を経て、現在のライフスタイルプロデューサーとして活動することになったきっかけはなんだったのですか?

インストラクター育成をしていた頃、私を指名して学びにくる方の中には私と同じように小さいお子さんを持つママが多かったんです。説明会に来るママさんたちの話を聞くと、資格が欲しいとか、仕事につなげたいとかではなくて、学んだことをすぐに実践して悩みや迷いから解放されたい、日々のモチベーションを上げたいということを求めている方が多かったんです。

そんなママたちの話を聞くうちに、自分自身のことも見直してみたんです。ちょうど多忙のあまり心身共に疲弊していた頃ということもあって、私が今本当にやりたいことって何かな、日々の業務に追われて見失ってないかな、何を今大切にしたいかなとか、自分に問いかけ続けました。そうしているうちに、背負い過ぎず、自分のペースで自分がやりたいことをしようという気持ちになったので、自宅でまずは友人知人向けに小さなワークショップをスタートしたんです。

 

――それが、発酵食のワークショップなんですね!

そうなんです。健康によくて、美味しくて、忙しいママたちが簡単にできて、尚かつ、「自分でもできた!」という体験がママたちの自信になるものと考えて、まずは塩麹、醤油麹の作り方や活用法にフォーカスして教えることにしました。なぜそれにしたかというと、日々の暮らしの中で私にとって家族にとって、それが一番体と心と食卓に幸せを届けてくれるものだったからです。もともと私は料理が特に得意でも好きでもないので、凝ったものや難しそうなものは全くやる気にならない(笑) そんな私にとって、発酵食は、簡単に美味しさと健康と心の栄養も叶えてくれるものだったんです。教えるにあたって、改めて発酵食スペシャリストの資格を取得し、レシピは基本レシピにオリジナルなものも加え、我が家の家族の体調の変化や反応が良かったものを紹介しています。夫はそれで自然と15㎏も体重が落ちました。彼が一番喜んでいるかもしれない(笑)。ワークショップで友人知人が喜んでくれている姿を見ながら、毎日やらなければならない食事作りという重い荷物が、少しでも軽くなって、そこから自分たちの体調の変化だったり見方が変わったり、小さな幸せの循環が拡がるようなきっかけになれたらなと改めて思うようになりました。

 

――毎日、大変なことをたくさんこなしているのに、ママってどこかで「もっと、もっと」と自分を追い込んでしまいがちですもんね。そんな中で、毎日立つキッチンで家族を幸せにしてあげることができて、それが実感できることを教えてもらえるのは嬉しいですね!

ちょうど今年2月には自宅以外でのワークショップの場所も見つかり、公開ワークショップを開催する予定だったのですが、コロナ禍で開催が難しくなり、オンラインに切り替えてワークショップを開催したんです。マンツーマンで話すことでじっくり教えてもらえてすごく嬉しかったという人が多かったんですが、マンツーマンだからこそ普段のワークショップではできない話も吐露してくれる方も多くて。ママたちって、本当にいろんなことに悩んでいるんだなということが改めてわかりました。

その話を聞いてますます、「ママたちが日々家の中でやっていることってめちゃくちゃすごいことだよ!」「まず自分で自分を褒めてあげよう」と伝えたいなと。それを伝えて自信を持ってもらえるようなことを発信していきたいという気持ちが強くなりました。

 

――そんな風に寄り添ってくれる人がいたら、ママたちはたくさんパワーをもらえるでしょうね。ライフスタイルプロデューサーという肩書き以上の発信をされていますね。

私、こう見えて真面目なところがあるので、以前は変に先生っぽくしなくちゃいけないとか、こうしなきゃいけないとか、肩書きに勝手に縛られたり自分をギチギチにしていたところがあったんです。でも、その都度発信したいことがあって、それが楽しめているなら肩書に縛られない生き方をしたいなと思って、「肩書き=浅倉利衣です!」でいいじゃんという気持ちになりました(笑)。

 

なりたい自分、ありたい自分であるってママが増えれば、明るい社会になっていく

――浅倉さんとこうしてお話をしていると、実際にものすごくパワーをもらえてる感じがしますが、昔からそんなにパワフルなんですか?

実は、繊細なところもあるんですよ(笑)。そんな自分がイヤだったときがあって、どうやったら鈍感力が身につくんだろう……と悩んでいたときがあります。でも、繊細だからこそ人の気持ちに寄り添えるし、共感してもらえるんだって、やっと自分の全てをまるごと受け入れるようになれました。私にとっての変化が昨年頃からで、心からありのままの自分をまるごと愛せるようになれたのはごく最近です。

自分のことをやっと認められるようになったときに、やっと他人を認められて、尊重できるようになるんだと感じました。自分を認めていないと、他人のことも無意識のうちにジャッジしやすくなるし、それは子どもにも影響があると思っています。まずは「自分からはじまる」。それが今の私のキーワードになっています。

 

――自分をまるごと受け入れることができたら、まわりの人たちをも受け入れられる。当たり前のようで、なかなか簡単にできないんですよね。

日本はとくに、「出る杭は打たれる」という言葉もあるように、見えない同調圧力や社会的制約みたいなものが根強くある気がします。それがママになると更に覆いかぶさってくるように感じる。だから自分らしく生きようと思っても、なかなか踏み出せない不安や恐れも出てきやすいと思うんですけど、自分で自分のことを認めてあげて、なりたい自分、ありたい自分であるってママが増えれば増えるほど、社会もどんどん明るく楽しくなっていくのではないかなと思っています。

こういうことって、経験することで気づけると思うんです。本を読んで知識にはできるけど、本当の理解って体験のあとについてくるものだから。私は、「知識も大事だけど、まず1歩進んでみて」と伝えるようにしています。

 

――それを伝える方法が、浅倉さんにとってはキッチンを中心とした世界だったということですね。

そう。エシカルなエコキッチンも、「自分ができそうなところからやってみて」と伝えています。まず、自分ができそうなところからはじめてみると、意識ってどんどん加速していくんです。大変なのは、最初の1歩を踏み出すまで。大抵人って頭の中で勝手にハードルを高くしていたり、そこに制限をかけちゃうんですよね。いや私にはできるわけがないとか。でもその制限は他の誰でもなく自分でかけていることに気づいて、もし興味を持ったなら簡単そうなものからトライしていく。その姿を見せてあげることって、子どもにとっても1番の教育になると思うんです。


 

――やりたいことをやっているママってかっこいいですもんね。そんな浅倉さんは、今後どのような活動をしていきたいと考えていますか?

今主宰している発酵食のワークショップをまた新たな形で再開しようとも思っていますし、新しく子育てのエッセイの連載も始まるので、そこでリアルでありのままの想いや体験を綴っていきたいと思います。それらを通して私がサポートしたいと思っているのは、過去の自分が悩んでいたような悩みを持つ人たち。少しでもホッとできたり、又は自信を育めるようなサポートができたらなと思っています。

また、エシカル・コンシェルジュという講座も受講し修了したのですが、それから意識がすごく変わりました。日々の暮らしと気候危機はものすごく繋がっていることが理解できました。これからを生きる子供たちに、できる限り住みやすい地球を残したいと思っているママは多いはず。そのために、暮らしとSDGsの繋がりや、暮らしの中でできることなんかも伝えていきたいと思っています。

 

――では最後に浅倉さんがMOTHERS編集部のデスクとして、こんなことやっていきたいと思っていることを教えてください。

「はじめてのエシカルワークショップ」みたいなものを、MOTHERS編集部とコラボして開催できたら楽しいなと思います。より良い未来の地球のために、私が実際に良いと思う商品を紹介したり、暮らしの中でできるアイデアなどを紹介したり。「一人の100歩より、100人の一歩」だと思うし、それがMOTHERS編集部はできると思うから。

子育てって孤独を感じやすいときもあるじゃないですか。キッチンでやっていることも同じなんじゃないかなと思うんですけど、MOTHERS編集部というコミュニティができたことで、「これやってます」「これ、できました」ということがシェアできて、共感できるコミュニティになることが素敵だと思うし楽しくなると思う。今は、なかなか出かけにくい世の中で、家にいることが多いけど、そんなときだからこそ家の中をパワースポットにしちゃえばいいじゃん! と思っていて、そうできるための内容を発信していきたいです。

あともう一つ、ちょうどエッセイのお仕事も始まることもあって、目に見えない価値や経験、思い、モチベ―ショナルスピーカーみたいなこともしていきたいですね。もともと書いたり話したりして「伝える」ということが好きなのと、本当は目に見えない本質的なものこそ大切で、それが私たちを形成していると思うので。これからも、自分で自分に制限をかけずに、自分の気持ちに素直に正直に生きていたいなと思っています。そうであることが、自分も家族も子どもも周りも幸せにできることだと思っているので。そしてそうなりたい、と思っているママの応援団でありたいなと思っています!

 

 

取材・文 上原かほり