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田村 梓

スタイリッシュなハンドレタリング図案が人気の消しゴムはんこ作家。

スタイリッシュなハンドレタリング図案が人気の消しゴムはんこ作家。

MOTHERS編集部 スペシャルインタビュー《田村 梓》

今回、MOTHERS編集部のロゴデザインを担当してくださった、ハンドレタリング・スタンプ作家である田村梓さん。田村さんのInstagramを見ると、消しゴムから作られたとは思えないクオリティの作品に驚かされます。9歳と1歳のお子さんのママでもある田村さんが、消しゴムはんこやデザインのお仕事をはじめたきっかけや、今後の活動についてのお話を聞きました。

 

子育ての空いた時間にはじめた消しゴムはんこが、仕事に!

――作品を見るたびに、クオリティの高さに驚きます! 田村さんが消しゴムはんこを始められたのはいつ頃からなんですか?

ありがとうございます。私が消しゴムはんこを始めたのは、長男が1歳になったころなんです。夜、まとめて寝てくれるようになったので、何か自分のやりたいことをやろうと思ったことがきっかけです。

 

――産後にはじめられたんですね。結婚前からこの道を極めていた方なのかと思っていました。

以前は、印刷会社に勤めていたんです。営業やイベントの企画を担当していて、デザインの仕事が身近にある環境ではありました。結婚を機に印刷会社を退職し、結婚後は大学職員になりました。東日本大震災の年に長男を妊娠して、出産前に大学職員を退職しました。産後はまた仕事をするつもりだったのですが、産後の再就職ってなかなか難しくて、子どもとも一緒にいたいという思いもあり、何か家でできることってないのかなと考えていたんです。

 

――それで、消しゴムはんこを始めたんですか? 

いえ、最初は消しゴムはんこではないんです。もともと手先が器用なので、産後にミシンを買って巾着やトートバック作りにハマって、いろんな布小物を作るようになりました。それをハンドメイド作品として販売したくて、オリジナルのタグをつけたなと思ったんです。ところが、なかなか好みのタグを見つけられなくて、調べていたら、自分で消しゴムを掘ってはんこが作れるということを知ったんです。

 

――消しゴムはんこは、偶然の産物ということですか?

そうなんです。布小物につけるタグを作ってみたら、すごく楽しくて、「これは自分にあっている」と思ったんです。すぐに、布小物作りから消しゴムはんこ作りにシフトチェンジしました。当時はほっこりしたクラフトが主流でしたが、私は、実用性のある文字ハンコをたくさん作りました。書道をやっていたので、文字のバランスや枠の中の配置なども得意だったんです。

 

――どのように、消しゴムはんこをお仕事につなげたのですか?

消しゴムはんこをはじめたタイミングでブログをはじめて、作った作品を日記的に載せていました。そのブログを見て、ハンドメイド雑貨店やセレクトショップで委託販売ができるようになりました。そのタイミングで、ブログからInstagramに移行しました。写真とコメントをアップできる仕組みが、私の発信したいことにぴったりなツールだなと思ったんです。

 

――家でできる仕事はないかなと考えていて、実際に消しゴムはんこがお仕事になったというのは、すごいですね。

そうですね(笑)。Instagramの投稿をはじめてからは、オリジナルスタンプの直接のオーダーが入るようになりました。デザインの部分だけを切り取ったり、看板や黒板にグラフィックを描いたりする(チョークアート)仕事にも発展していきました。今は、消しゴムはんこ自体は販売していなくて、お店のロゴを書いたり、デザインをしたりとちょっとずつお仕事の内容が広がっていきました。

 

読者の方と近い立場でいろんなことを発信していきたい

――今もさらにお仕事の幅が広がっているんですか?

本の編集者さんからお声がけいただき、本を2冊出したり、大きなイベントで、アートチョークをさせてもらったりしました。はじめた当初は想像もしていなかったような展開だったので、普段私の仕事に全く興味がない夫もびっくりしていました(笑)。

 

――お仕事の幅が広がっていく中で、子育てとの両立はどのようにされているのでしょうか。

私の今の働き方は、自分のペースでお受けする仕事の量をコントロールできることがすごくありがたいなと思っています。もともとイチ主婦が家の中で空いた時間を使ってやっていたことなので、できる範囲でバランスを調節しながら仕事をしています。フリーランスなので自分で調整しないと、すぐにいっぱいいっぱいになっちゃうんですよ(笑)。なので無理をしすぎないというのはいつも心に掲げて、子育てと、自分の気持ちの余裕と相談しながらでお仕事はうけるようにしています。

 

――今後、どのような活動を予定しているんですか?

子どもとの生活がメインなので、二人目が生まれてからしばらくは正直開店休業状態だったのです。次男も1歳になったので、またお仕事に力を入れていこうと思っているタイミングで、今回MOTHERS編集部のお話をいただいたんです。そこで、編集長の美里さんとお話したのは、出産を機にストップしたキャリアを再スタートするときに、次のステップをどうしたらいいかと悩んでいる人って多いよねということ。私も、二人目を出産後、一旦ペースダウンしていたので、MOTHERS編集部に参加することをきっかけに、これまでの活動の幅をより広げられたらいいなと思います。

 

――MOTHERS編集部の中でやってみたいことってありますか?

編集長の美里さんから、MOTHERS編集部に声をかけてもらってありがたいなと思っているのですが、実は気後れしている部分もあるんです(笑)。デスクのみなさんは、SNS上で目にするような有名な方ばかりなので、正直「私でいいんですか?」という気持ちがあります。けど、美里さんから「梓さんのような働き方こそが、これからのママたちにとって新しい選択肢の一つになると思うんです!」と背中を押していただき。

なので読者の方と近い立場でいろんなことを発信していけたら良いなと思っています。これまでに自分がやってきたことが少しでもみなさんの参考になるような発信ができれば嬉しいです。