2026.09.11
【連載vol.20】現役JKが語る、14歳で飛び込んだアメリカ留学のリアル
―Trick or Treat!―
紅葉にはあまり興味を示してくれなかった友人たち。
なのに…ハロウィンには、そんなに本気を出しますか?
10月が近づくと、キャンパスは一気にハロウィン仕様。カボチャだらけ。ジャック・オ
ー・ランタンだらけ。

「ジャック・オー・ランタンだらけの学校」
ある日、ケイティーがさらっと言った。
「ママがみんなでお揃いの衣装を用意してくれるって!」
…え、いつ決まったの?
しかも、ケイティーのお母さんが選ぶ衣装。
嫌な予感しかしない。
どうか、どうか花柄ではありませんように。
私は女の子だけれども、母の影響もあって、花柄、フリフリ、ピンクとは無縁。小さい頃に
最初に覚えた色の英語はブルー。街でピンクの風船を渡されても、ブルーの方をくださいと
言っていた。
そんな私に、可愛らしい衣装は荷が重い。
ケイティー母、お願い……!
―ご報告があります―
その夜、日本の母へ電話。
「ご報告があります。私、天使になります。大きな羽根をまといます。羽根代を振り込んで
ください。」
私の願いは見事に砕け散った。
電話の向こうから聞こえてきたのは、母の大爆笑。
あの時の母の悪魔のような笑い方。一生忘れない。泣きながら笑う母。
本当に泣きながら笑っていた。
「天使?天使??羽根!!!ウケる!!絶対写真送ってね。悲しい事があったら、毎回その
写真を見て笑うようにする!」
……ひどい。ひどすぎる。
小さい頃、女の子なら一度は夢見るプリンセスに変身。これにも興味を示さず、父母も娘の
プリンセス変身願望なし。そんな私にとって天使はキツすぎる。

「無事天使になりました」
ハロウィン当日は仮病を使おうかな…なんて作戦が成功するはずもなく、私は無事、天使に
なった。
―季節感、どこ行った?―
そして迎えたハロウィン当日。

「生徒より本気な先生たち」
羽根を背負い、いざ出発。
そんな私の耳には学校初日にケイティーがつけていた懐かしの顔半分サイズのひまわりイヤ
リング。
いやいや、季節違いすぎるでしょ。
天使にひまわり。もはやコンセプトは謎である。
羽根をパタパタさせながら学校中を歩き回り集めに集めたお菓子達。
正直なところ、どれもあんまり美味しくなさそう…。
?味のキャンディーとか絶対食べたくない。ハリーポッターみたいに鼻くそ味だったらどう
してくれるの!
そうは言っても、本気で生徒を脅かしにかかる先生達から、これでもかと言うほどにお菓子
を搾り取って、かばんがパンパンになったのは良い思い出だ。

最初は嫌で嫌で仕方がなかった天使の仮装。
でも、一日終わってみると不思議なものだ。
友達と笑って、お菓子を集めて、写真を撮って。
あれ、意外と楽しかったかも。そう思えた。
嫌だ嫌だもやってみれば天使もいいもんだ。





