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2026.01.28

FAMILY/家族・子供

池澤摩耶さんインタビュー【前編】 子どもの“好き”を学びに。 ― ポケカや推し活がひらく、「マネー教育」の第一歩

「子どもにお金の話をするなんて、まだ早い」

「投資って怖いイメージがある」

——そんな風に思っている親御さんも多いのではないでしょうか。

でも、今の子どもたちは電子マネーやデジタル通貨のある時代に生まれ育ち、スマートフォンやAIとともに暮らしています。お金の仕組みをただ「難しいもの」として敬遠するのではなく、むしろ日常のなかで自然に「仲良くなる」感覚を育てていくことが、これからの時代を生きる子どもたちには必要なのかもしれません。

今回お話を伺ったのは、外資系投資銀行でトレーダーとしてキャリアを積んだのち、現在は経営者・投資家・そして二児の母として活躍する池澤摩耶さんです。

著書『元外資系投資銀行トレーダーママが伝授 子どもを人生ゲームの勝者にする最強マネー教育』には、そんな“お金と仲良くなる”ためのエッセンスがぎっしり。経済の話と聞いて「少し難しいのでは」と身構えていた編集部の小脇美里も、読み終えたときには“あっという間だった”と語ります。

「日常生活に落とし込まれた内容だからこそ、すっと心に入ってきた」
「お金を難しいものではなく、“仲良くなろう”というスタンスで語ってくださっているので、多くの方が共感し、一歩踏み出してみようと思えるはずです」

そう語る小脇が、池澤さんに“マネー教育”の本質と、その背景にあるご自身の体験をじっくりと伺いました。

 

「難しいことをわかりやすく、そして楽しく」

小脇:「改めて、この本を読んで本当に感動しました。金融や経済の話って、最初は難しいのかなと思っていたのですが、読み始めるとあまりにわかりやすくて。生活の中の“あるある”を交えて語られているので、とても読みやすく、気づいたら一気に読み終えていました。」

池澤:「ありがとうございます。そう言っていただけるのが一番嬉しいです。」

小脇:「“金融の専門家が書いた専門書”ではなく、日々の暮らしの延長で話されているからこそ、“あ、自分にもできそうかも”と思えるんですよね。」

池澤:「難しい言葉を使わないようにということに、とにかく気をつけました。専門家同士の対話ではなく、親子で会話できるような内容を目指しました。“経済って面白いよ”“株式投資って日常とつながってるよ”ということが、自然と伝わればいいなと思って書きました。」

 

「ポケカ好きな子は、株式市場に向いている!?」

小脇:「本の中でとても印象的だったのが、ポケモンカードのお話でした。うちの息子も夢中になっていて、メルカリで相場を調べて、自分でリフィルにカードを丁寧に収納して…そういう姿に、“これはまさにマーケット感覚なのでは?”と気づかされました。笑」

池澤:「まさにそうなんです。ポケカは、価値の変動、希少性、コンディションの管理、取引のタイミングなど、“マーケットの本質”を遊びの中で自然に経験できるツールなんですよね。」

小脇:「“このカード、最近値段が上がってるんだよ”と息子が教えてくれたことがあって、“どうして?”と尋ねると、“人気のキャラだから”とか“限定でレア度が高くて・・”といった答えが返ってきました。理由を聞いてみると、きちんと需要の背景を説明できていて、無意識のうちに“価値が高まる仕組み”を理解しているんだなと驚かされました。」

池澤:「子どもって、本当に好きなことには驚くほど集中力を発揮しますよね。その“好き”という気持ちを出発点に、“それって株式市場にも似てるよ”とつなげてあげると、経済への興味も自然と広がっていくんです。」

「10万円から始める、ママの経済的自立」

小脇:「本の中でも、投資は“大きなお金が必要なもの”ではなく、少額からでも始められるということが何度も書かれていました。特に、ママたちのように日々家計を見ている立場の人にとっては、非常に心強い言葉だと感じました。」

池澤:「はい、金額の大小ではなく、“自分でお金の動きを決める”という経験が大切なんです。たとえば、10万円という金額をどう使うか。預金するのか、投資に回すのか、自分で選択することで、“私にも経済的な選択権がある”という自信が生まれます。」

小脇:「“お金をただ眠らせるのではなく、どう動かすかを考える”という視点は、多くの方にとって新鮮なのではないでしょうか。」

池澤:「そう思います。日本では“現金が安全”という考え方が根強くありますが、インフレの時代においては、現金を持ち続けることもまたリスクになり得ます。そのことを知るだけでも、お金との向き合い方が変わってくると思います。」

小脇:「“学ぶ”とか“投資する”と聞くと、どうしても構えてしまう方も多いですが、まずは自分の力で小さく稼いでみる、というのもすごく良いですよね。」

池澤:「まさに、そこがすべての始まりだと思います。たとえば月に1万円でも、自分の力で稼いでみると、それが“選択肢を増やす力”になるんです。働き方を工夫したり、スキルを活かしたり。最初は小さくても、“自分の意志で経済を動かせる”という実感は、女性にとってとても大きな自信につながります。」

小脇:「“経済的に自立している”という感覚があるだけで、ものの見方や、子どもにかける言葉も変わってきそうですね。」

池澤:「本当にそうなんです。親が“お金に振り回されていない姿”を見せることで、子どもも自然と、“お金はコントロールできるもの”という感覚を持ち始めます。10万円でも、1万円でもいい。“これは私が選んだお金の動かし方”という意識があれば、それは立派なマネーリテラシーの第一歩なんです。」

「“推し活”は最高の投資入門」

小脇:「推し活を通じた投資の話もとても面白かったです。JYPの株を保有されているというお話には、親しみとリアリティがあって、すごく素敵だなと感じました。」

池澤:「ありがとうございます。K-POPのグループが頑張っている姿を見るたびに、“応援している企業の一員”のような気持ちになるんです。株価が下がったとしても、“でも彼らは頑張ってるから大丈夫”と、経済をもっとポジティブに捉えることができるようになるんですよね。」

小脇:「“好き”という感情をベースに株式投資に入っていけると、無理がないですし、自然と関心も湧いてきますよね。」

池澤:「特に子どもたちにとっては、“好きな企業”を応援する感覚で株を学ぶことが、非常に入りやすい入り口になります。数字や利回りの話ではなく、“好きなものを選ぶ”という行為そのものに、経済の本質があると感じています。」

 

お金はタブー”は日本だけ? 世界のマネー教育事情

小脇:「冒頭でも触れましたが、“お金と仲良くなる力を育てる”という言葉がとても印象的でした。」

池澤:「ありがとうございます。“お金は悪いもの”とか“子どもにはまだ早い”といった先入観があると、どうしても距離を取ってしまいますよね。でも、実際にはお金も生活の一部。遠ざけるのではなく、“どうつき合うか”を学ぶことが本質的に大切なのだと思います。」

小脇:「“依存しない、でも拒絶しない”。そういうちょうど良い距離感を教えてあげることが、“仲良くなる”ということなんですね。」

池澤:「はい。これはお金だけに限りません。スマホも、ゲームも、AIも、今の子どもたちにとっては“避けて通れない現実”です。だからこそ、“どう使うか”“どう選ぶか”を、自分の頭で考える力を育ててあげたい。これは生き抜く力そのものなんです。」

小脇:「確かに、世界に目を向けると、欧米では小学校や中学校の段階から“お金の授業”があるところも少なくないですよね。」

池澤:「そうなんです。たとえばアメリカでは“金融教育”が義務化されている州もありますし、イギリスでは中学生が“模擬投資”をして、企業の株価を実際に追いながら学ぶような取り組みもあります。お金の知識は、社会を理解するための“基礎リテラシー”として扱われているんです。」

小脇:「その一方で、日本では、“お金の話は家庭の中でこっそりやるもの”というような風潮が、まだ根強く残っていますよね。」

池澤:「ええ。でもその価値観のままだと、子どもたちは“お金”という大きなテーマに対して、自分で判断できないまま大人になってしまいます。私たち親が、まず“話していいんだよ”という空気をつくることが、本当に大事なんです。」

小脇:「親が“選んであげる”のではなく、“自分で考えて選ぶ”経験を積ませてあげる。未来を生きる子どもたちにとって、それは何よりの力になりますね。」

池澤:「その通りです。お金を知るということは、世界を知るということ。価値観を持つということ。そして、自分の人生を自分で選ぶということなんです。」

小脇:「“お金の話”を家庭に取り戻すこと。それは、子どもたちが“選べる未来”を持つための、最初の一歩なのかもしれませんね。」

池澤:「そう信じています。どんな未来も、ただ待っているだけではやってきません。“好き”という気持ちを出発点に、世界を見て、自分で考えて、行動できる力。その土台を、お金とのつき合いを通じて育んであげたいですね。」

 

 

👉 次回後編では…
・「チョコが高い?」物価の違和感から始まる経済の目
・教育にも“損切り”の発想を。やめる決断は敗北ではない
・お年玉で投資家デビュー!?15歳から始める資産形成
・“夢にはコストがかかる”をどう伝える?
・そして、子どもに渡したい“自分で選ぶ力”とは

――より、リアルなマネー教育の実践談を深掘りしていきます。

 

元外資系投資銀行トレーダーママが伝授 子どもを人生ゲームの勝者にする最強マネー教育』池澤摩耶 著
(光文社、税込1870円、2025年9月30日発売)
電子マネーですべての決済が完結する世に生まれ、生きていかなければならないのが「α世代」(2010年以降生まれ)。
そんな世で「お金」というものをどう説明し、取り扱わせるか。
親自身のマネーリテラシーや投資への知識が問われる重大な局面に差し掛かっていることは間違いない。
元外資系投資銀行トレーダーの池澤摩耶さんが自分の子どもに実践しているマネー教育メソッドを公開。

編集長 小脇美里

MOTHERS編集部 編集長。

ファッションエディター/ブランディングディレクター。

ママたちの絶大な支持を集め、数々のヒットを生み出すヒットメーカーとして、経済界からも注目を集める。
令和初のベストマザー賞・経済部門受賞。
鯖江市顧問/SDGs女性活躍推進アドバイザー。2児の母。

MOTHERS編集部 編集長。

ファッションエディター/ブランディングディレクター。

ママたちの絶大な支持を集め、数々のヒットを生み出すヒットメーカーとして、経済界からも注目を集める。
令和初のベストマザー賞・経済部門受賞。
鯖江市顧問/SDGs女性活躍推進アドバイザー。2児の母。

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