2024.05.07
「なんで勉強しなきゃいけないの?」 # “楽しく学ぶ”アイディア帳
勉強する意味
「なんで勉強しなきゃいけないの?」
子どもたちが不満げな顔でこんな疑問を投げかけてくる日を、ちょっと恐れている。
うまく説明できる自信がないからだ。
「勉強って面白いよね〜」と、不自然なほど普段の会話の中に盛り込んでいるのも、この質問を避けるため、無意識に先手を打っている節がある。
最近、受験生や学生の間で話題になっている本を手に取った。
帯には“受験大国・韓国で45万人が読んだ伝説の勉強バイブル。中高生の98.4%が「勉強したくなった」と証言!”とある。
「98.4%とは強気だな」と眉に唾をつけてページをめくってみたのだけど、たしかに熱い本だった。
✔︎ 勉強に手遅れなんてない
✔︎ 勉強は魂と人生を成長させる
✔︎ 他人ではなく、過去の自分と競争する
✔︎ 夢とは、自分がなりたい職業ではなくなりたい姿
✔︎ どんな授業を受けるかではなく、どう授業を受けるかが重要
✔︎ 勉強ができる機会があるのは恵まれている証拠
テクニックというより、勉強の本質と意味をメインに構成されている。
なぜ勉強するのかさえわかれば、勉強は勝手に面白くなるし、どうやって勉強するかの答えも自然に見つかるという著者の主張からだ。
もし何かを学び始めるタイミングでこの本に出会えば、格段にモチベーションが上がるはず。
ただ、熱い本と書いたが、これは良い意味でも悪い意味でも。
タイミングを間違えれば「なんか説教くさくて読む気しなーい」とその辺に放っておかれる可能性が高い。
本当は娘に読ませたいと思って購入してみたのだが、まだいろんな意味で早いと感じたので、とりあえず今は自分だけが読んでみることにした。
親の役目は、気付きの種を蒔くこと
私が勉強の本当の楽しさを知ったのは大人になってからだ。
新卒で入った会社で営業に配属されたときに読んだ、営業指南書がきっかけである。
本に書いてある通りに真似をして、営業成績がグングン伸びたことで、学びが実生活に直結することを初めて実感し、ものすごく興奮した。
学びが人生を豊かにしてくれることに気づいて、「趣味は勉強です」と思えるほどになったが、欲を言えば学生時代に気付きたかった。
多くの人が、私のように人生経験を積んでから勉強の価値を理解する。
そして、もっと早く知りたかったと嘆く。
勉強だけでなく、何でもそうだけど、結局は自分ごととして捉えられるかどうか。
”うまく説明できる自信がない”は、自分の考える勉強をする理由が、質問してきた”今”の子どもに刺さるかどうかがわからない、という意味だ。
だって、タイミングが違えば、どんな名言や金言も、上すべっていくだけの、なんか良いこと言っている風の言葉で終わるから。
だから私が気付かせるというより、いつか自分で気づくための環境を整えてあげたい。
親の役目は、いろんな気付きの種を蒔くこと。
そして、この本がいつかその一つになるかもしれないと思い、本棚の隅にそっと置いておくことにした。