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2024.01.30

FAMILY/家族・子供

笑いあり、涙あり。更年期母のスケジュール大作戦 #みんなのスケジュール管理方法を覗き見!

遠足を忘れる次男。予定表のチェックを忘れる母

今日は完璧! 朝もバランスの取れたごはん。

中学受験準備で家にいる長男にも昼ごはんを作ったし、珍しく準備が時間通りにできた。

さあ、朝のコーヒーで一服しようと思っていたら……。

「ママ〜今日は遠足の日だった! お弁当、どうしたの?」と顔色を変える次男。

時間は、朝8時。何〜! 遠足??? 聞いてないし。

「ママ、もうダメだ! 遠足行けない」と半べそをかいている次男。

慌てて、長男の昼ごはんを弁当箱に5分で詰める。何とか送り出せた。

遠足を忘れる次男。予定表のチェックを忘れる更年期の母。もはや、コメディーだ。

他の子どもとも同じようなエピソードが……。

写真の娘と猫は、7時に撮ったもの。可愛いけど、7時15分には家を出ないとバスに間に合わない。母娘、お互い、優雅なものだ。

何を隠そう、私の子どもたちの注意欠陥多動性障害やアスペルガー症候群傾向は私譲りということが最近わかった。発達障害を抱える家族の、スケジュール管理はユーモアなくてはとても耐えられない。

たまったもんじゃないのは、夫。彼には相当なストレスを与えている。いつも「時間にルーズすぎるんじゃないか?」といった感じで呆れられることがしばしば。

自分だけ違うような気がしていた幼少期

他の人に迷惑をかけることはあるかも知れないし、そのことで周りから否定されたり、自己肯定感が低く育ったりして、鬱みたいになることもある。だけど、最近子どもたちが発達障害とわかり、発達障害があることをポジティブに捉えて欲しいと願うようになった。

私は今まで、やりたいことがないなどということがない。とにかく、いつもやりたいことがありすぎて、やらなければならないことの優先順位をつけることが苦手で、時間管理ができない。しかし、年をとったらよく「やりたい事がもうないから、とても羨ましい」と言われることが多い。

小さい頃は、ボーッとしてる、整理整頓できない、忘れ物が多い(注意力欠陥)、時間を忘れて没頭する事が多い(過集中)、本来やるべきことを先延ばしにしてしまう(多動)と常に成績表に指摘されていた。当時、発達障害などという意識はなかったから、自分は欠陥人間なんだと、自己肯定感は低かった。他の子は苦労していないのに、自分だけ何か違う生き物のような気がしていた。

まわりは帰国子女だった私を「アメリカ人だから仕方ない」と片付けていた。イジメを受けたことさえある。だからこそ、弱い人にうわべだけではなく、寄り添えるようになったと思う。

私も発達障害があるとわかったのは、最近更年期の影響もあり、長年一緒に勤務していた人の名前を忘れてしまったり、重要な予定を忘れてしまったりしたことが多く、記憶力の低下が気になり出したのがきっかけだ。今までは、写真を撮るみたいに映像を記憶できていたのに、何でもすぐに忘れてしまう。ついに「メモリー外来」にデビューしてみることに決めた。だけど、実際に行ってみると、みんな付き添いの方々ときていて、場違いだった! と気まずさを感じた。

後日1日かけて、記憶カードのテスト、発達障害の検査、脳波の測定、採血などの検査をして、不安と期待が入り混じった時間を過ごした。検査結果を待つ中、もし認知症だったら、という不安が頭をよぎった。特に子育てという責任を考えると、不安が一層大きくなった。

結果、私は発達障害傾向があること、記憶力は「正常」との説明を受けた。私タイプの発達障害は、中年に差し掛かるとスイスチーズの様に記憶が抜けてしまうことが多いと最近の研究でわかってきたらしい。

今までの記憶力が良くて、障害をカバーしていたから、障害も目立ってきた様に感じられるとのこと。私は、もしかしたら、障害があったから、記憶力がとても良くなるように発達したのかもと内心思っていた。そうか、私は発達障害があったんだ。わかって、何だかホッとした。

 

発達障害って悪いことばかりではない

この特性があることで苦労はしたものの、お陰で、できるようになった事の方が多い。小さい頃から私は絵を描くことを楽しんだから、絵本作家として活躍する事ができたし、世界中の人と話したいから、英語やスペイン語を学び、それを活かして同時通訳バイトして高い私立の医学部の学費も払うことができた。医師として臨床も研究も楽しめたのも、色々な種類の事をやりたい自分を満たしたいからできた。発達障害って、悪影響だけではないと大人になって思えるようになった。

発達障害者の私にとって、スケジュール管理はこれからもずっと課題だろう。未知の未来に向けて不安がある中でも、同じ特性を持つ子どもたちのためにも、前向きに少しずつ一歩ずつ前進していけることを願っている。

高橋 しづこ

帰国子女の産婦人科医師で3児のママ。
自ら絵本を描きながら、いのちを見つめる。

帰国子女の産婦人科医師で3児のママ。
自ら絵本を描きながら、いのちを見つめる。

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