2022.11.04
「安心安全な環境が子どもの考える力を育む」非認知能力で、ママの毎日と育児をHAPPYに!BYBS連載コラムvol.11
グローバル社会でとても重要な能力として注目される「非認知能力」。
IQや偏差値など、数値化されたものや知識などを認知能力と呼ぶのに対して、自己肯定感、自信、主体性、自制心、やり抜く力、回復力、共感力、社会性など目に見えない数値化されない能力を「非認知能力」と呼びます。人間力や生きる力とも言われます。
近年日本の子どもの自己肯定感と幸福度の低さが問題視されていること、2020年の教育改革に豊かな人間性の育成などとして織り込まれていることもあり、非認知能力教育への関心が高まっています。ちなみにアメリカでは20年以上前から行われています。
とはいえママ自身が学校で習ったことがないという場合が多いと思うので、どうやって非認知能力を育んだらいいのかわからない方もいるのではないでしょうか。
そこで、MOTHERS編集部ではデスクメンバーのボーク重子さん率いるコーチングのプロフェッショナルチーム“BYBSコーチング”の皆さんに非認知能力の育み方を教えてもらう連載をスタートします!
ママ向け・子ども向けに、日常の中で非認知能力を高める、小さなコツやポイントなどを発信していきます。
今回紹介してくれるのは出野治代さんです。
安心安全な環境が子どもの考える力を育む
「何事も自分で考えて主体性を持って行動し、自分の人生は自分で切り開いていける子になってほしい」。娘を出産した時、そう願いました。
しかし、娘が幼稚園児だった頃、何をするにも私に「どうしたらいい?」と聞いてきて、何か言いたくてもいじけてしまい言えない子どもでした。“この子はどうして自分の気持ちが言えないのだろう”“どうしてなんでも自分で考えずに聞いてくるのだろう”とイライラしながら育児をしていました。非認知能力について学びはじめて、ようやくその理由が分かりました。
私が娘にとって“安心安全な存在”ではなかったからです。
娘がすること全てに「こちらの方がいいよ」「こうした方がいいよ」「そうじゃなくてこうすると上手にできるよ」と口出ししていました。それを娘のためだと思って、一生懸命していたのです。
例えば、娘がスーパーで選んだお菓子に対して「それは食べにくいからこっちの方がいいんじゃない?」「それは一度袋を開けると閉められないからこちらのほうがいいんじゃない?」など、そんな小さなことにまで私の気持ちを押し付けていました。
そのようなことが重なり、娘は“自分の意見を言ってもきっとママは受け入れてくれないんだろうな”という諦めの気持ちが植え付けられてしまい、“自分の気持ちを考えて伝えても意味がないから、ママの言うことを聞いておこう”という思考回路になっていたのだと思います。
我が子は自分の子だけれど一人の立派な人間。自分とは違う考え方、気持ちを持っていて当然です。そんな当たり前のことに気づかず“自分で考えられる子になってほしい”と願っていたはずなのに、考える機会、発言する機会を私が奪っていたのです。
それに気づいてから「この子はどんな考えを持っているのかな?」「どうしたいのかな?」と興味を持って娘に接することができるようになりました。すると今まで見えていなかった娘の良い部分がたくさん見え、娘の全てのことが無条件に大好きになり、辛かった育児が楽しくなりました。
何事も「どう思う?」「どうしたい?」と聞くようにし、どんな答えであろうともまず「そうなんだね、そう思うんだね」と肯定して受け入れ、子どもの気持ちに寄り添って一緒に考えていく。そのようにして安心安全な環境を作ることを意識していくと、娘が自分の考えを伝えてくれるようになりました。
自分を丸ごと受け入れてくれる環境があるからこそ、子どもは安心して自分の意見を考えて言えるようになる。それが次のチャレンジに繋がり、そこから非認知能力が育まれていきます。
安心安全な環境を家庭に作ることは非認知能力を育む第一歩。
まず、「どう思う?」と、お子さんの気持ちに耳を傾けるところからぜひ始めてみてくださいね。
出野治代(いでのはるよ)
・転勤族の妻(小3の娘)タイ2回、オーストラリア、インド、2022年8月よりブラジル生活開始
・“駐在妻でも自分の人生を自分らしく生きる”をモットーに活動中