2022.10.06
「非認知能力さえあればトラブルさえも楽しめる」非認知能力で、ママの毎日と育児をHAPPYに!BYBS連載コラムvol.8
グローバル社会でとても重要な能力として注目される「非認知能力」。
IQや偏差値など、数値化されたものや知識などを認知能力と呼ぶのに対して、自己肯定感、自信、主体性、自制心、やり抜く力、回復力、共感力、社会性など目に見えない数値化されない能力を「非認知能力」と呼びます。人間力や生きる力とも言われます。
近年日本の子どもの自己肯定感と幸福度の低さが問題視されていること、2020年の教育改革に豊かな人間性の育成などとして織り込まれていることもあり、非認知能力教育への関心が高まっています。ちなみにアメリカでは20年以上前から行われています。
とはいえママ自身が学校で習ったことがないという場合が多いと思うので、どうやって非認知能力を育んだらいいのかわからない方もいるのではないでしょうか。
そこで、MOTHERS編集部ではデスクメンバーのボーク重子さん率いるコーチングのプロフェッショナルチーム“BYBSコーチング”の皆さんに非認知能力の育み方を教えてもらう連載をスタートします!
ママ向け・子ども向けに、日常の中で非認知能力を高める、小さなコツやポイントなどを発信していきます。
今回紹介してくれるのは毛利まゆこさんです。
非認知能力があれば、トラブルさえも楽しめる
皆さんこんにちは。年下の夫と小学3年生の息子の3人で、千葉で暮らす毛利まゆこです。
私たち共通の楽しみは車での旅。もちろん、電車も飛行機も使いますが、withコロナの今、Myカー移動がここ数年のお決まりです。
私が非認知能力に出会ったのは、息子が年中さんの頃。自律して自分の力でご飯が食べられる大人になって欲しい、欲を言えば彼が楽しんで、自主的に自律出来たら最高、そのためにはどんな力が必要か。
そんな思いで数冊の本を読み「これだ!」と夢中になったのが、ボーク重子コーチの本でした。
氷点下の軽井沢で起こった車のトラブル
我が家はよく軽井沢に行きます。家族3人で行くこともあれば、息子と私の2人で、夫の家族が合流することも。
真冬の軽井沢でのこと。ある朝、「道の途中で車が止まったから、来て欲しい」とコンビニへ出かけた夫から電話がありました。今にも雪が降り出しそうなどんよりとした空。格段に冷えた空気が鼻にツンと通り抜ける、凍てつく寒い日でした。
非認知能力に出会う前の私なら、すっごくイライラしていたはずです。「なんでよりによって今日なの?」「こんな寒い日に呼び出さないでよ」てな具合に。
でも、そんな気持ちは皆無に等しく、「よーし! 行ってやるぞ!」とむしろワクワクしていました。
息子に状況を説明し、義理の弟と一緒にいてもらい、私は夫のコートやマフラー、手袋を手に取り、義父と現場に向かいました。
夫の車は県道に差し掛かる交差点の手前で、側道に寄せることもできず停車。どうやらエンジントラブルのよう。夫はディーラーに電話していました。
私と義父は交通整理を始めました。救いは県道ではなかったこと。しかし県道への抜け道でもあったので、交通量もそこそこ多いそんな道でした。
交通整理に協力してくれる車も多く、苦情や文句を言う人は誰もおらず、それどころが見ず知らずの方が、「何かできることはある?」と声をかけてくれたり、温かい缶コーヒーを差し入れしてくれるまで。どのように交通整理をすれば安全で安心か、工夫し始める自分が最高に楽しかった! それは夫も義父も同じようでした!
トラブルを楽しめる息子
私はよく、突発的にトラブルに遭います(計画的なトラブルってないですよね笑)。知らぬ土地で迷子になることもしばしば。一緒にいる息子は気が気ではないですよね。「ママ大丈夫なの? ちゃんと辿り着く?」と泣き出しそうに様子を伺うことも。
でも私は「なんとかなるよ!」「これも楽しんだもの勝ち!」と言葉にします。「楽しい音楽を聴きながら行こう!」「次の交差点はどっちだと思う?」「作戦会議にまずはお茶しない?」なんて、ゲーム感覚。
そんな私を見ているからか、息子も次第にトラブルを楽しめるようになりました。
つい先日、息子に起きた学校でのトラブル。「これも楽しいじゃん! みんなで何ができるか考えてみよう!」とリーダーシップをとっていたと、担任の先生より聞きました。
幼い頃から超慎重派の息子。「石橋を叩いて渡る」どころか、「叩きすぎて崩れて渡れない」、そんな状態だった息子が、年齢的な成長もプラスして、人生の大冒険を最高に楽しめるようになりました。私は見守りながら一緒に楽しみ、彼が求めるならばアドバイスします。
アドバイスと言っても、聞かれた時に質問返しするだけ。「なんでだと思う?」って。そうすると、思考を巡らせるので、彼だけの答えが見つかるんですよね。
非認知能力と出会って変わった私、変わった家族
トラブルや未曾有の時に人間性が出ると良く言われますが、これって非認知能力だと私は思います。自制心、問題解決能力、楽観性、回復力(リジリエンス)、共感力、論理的思考、柔軟性……。たくさんの非認知能力が必要となる場面です。
こんな時に自分を信頼し、自信を持って取り組めたら、どんな高い壁も乗り越えられるのではないのでしょうか。
私自身がトラブルを楽しめるようになった頃から、家庭の雰囲気が変わり、息子が変わり、夫が変わりました。こんな風に変わると、もう人生最高! どこに行っても、何があってもすっごく楽しい! トラブルがトラブルじゃ無くなるんですよね。
どんな出来事も負ではなくなるから、1日のほとんどを笑って過ごせる。しかも、自分が成長できるきっかけとなるんです。捉え方が全く変わると、こうも人生変わるものかと、笑っちゃうくらいです。
「○○すべき」の窮屈な毎日を送ってきた数十年間にピリオドが打てたのは、40歳の頃です。人生100年時代でよかった! まだ半分以上をこの状態で生きることができる! 人生を変えるほどの体験を、世のママ達にもして欲しいなと思います。
毛利まゆこ
千葉在住
社畜から自分の理想な働き方を実現
BYBSコーチ、育児サイトやDcomoで非認知能力に関する記事を執筆中
日経系列でアンバサダー就任し現在に至る