2022.10.27
個性を伸ばすこととパッション探しが子育ての軸」非認知能力で、ママの毎日と育児をHAPPYに!BYBS連載コラムvol.10
グローバル社会でとても重要な能力として注目される「非認知能力」。
IQや偏差値など、数値化されたものや知識などを認知能力と呼ぶのに対して、自己肯定感、自信、主体性、自制心、やり抜く力、回復力、共感力、社会性など目に見えない数値化されない能力を「非認知能力」と呼びます。人間力や生きる力とも言われます。
近年日本の子どもの自己肯定感と幸福度の低さが問題視されていること、2020年の教育改革に豊かな人間性の育成などとして織り込まれていることもあり、非認知能力教育への関心が高まっています。ちなみにアメリカでは20年以上前から行われています。
とはいえママ自身が学校で習ったことがないという場合が多いと思うので、どうやって非認知能力を育んだらいいのかわからない方もいるのではないでしょうか。
そこで、MOTHERS編集部ではデスクメンバーのボーク重子さん率いるコーチングのプロフェッショナルチーム“BYBSコーチング”の皆さんに非認知能力の育み方を教えてもらう連載をスタートします!
ママ向け・子ども向けに、日常の中で非認知能力を高める、小さなコツやポイントなどを発信していきます。
今回紹介してくれるのは丸山慶子さんです。
個性を伸ばすことと、パッション探しが子育ての軸
私は非認知能力育児コーチになる前、タレントのマネージャーをしていました。
オーディションにも面接にも多く立ち合いました。その中で、選ばれる人というのは美人・スタイルがいいなどの容姿はもちろん、話し方がキレイな人、声がキレイな人、うまく話せる人でもありますが、それよりも重視されるのは「自分の内なる個性を自分の言葉で表現できる人」でした。ありきたりの決まり文句ではなく自分らしさです。
私がそういう業界にいたということと、私自身が育った環境が見渡す限り山と田んぼという田舎だったということ、物理的に諦めないといけないことが多かったということから、「やりたい」と思ったことで、できる環境にあることは全て体験してみる!と決め、子育てでは個性を伸ばすことと、パッション探しを子育ての軸として育ててきました。
夢中の中からパッションをみつける
私の職場にもよく連れて行っていたことから、ダンスや音楽などの表現の世界に触れ合う機会が多かった娘は、幼い頃から演じることが大好き! おままごとをする際には、キャラ設定をし、名前、衣装、セリフを考えることから始めるほど、演じることが大好きだったので、劇団のオーディションを体験してみることにしたのです。
社会人と高校生、7才の娘3人が面接会場に通され、私は部屋の隅っこで娘の視界に入らない席での立会いとなりました。 広い会場の真ん中に立ち、トップバッターで名前を呼ばれ、セリフを読みます。その後に「何でもいいから好きな歌をうたって!」と面接官に言われました。え! 用意してきてない!! 私は突然の振りに焦りました。
しばらく下を向いて固まってしまった娘。
そこで面接官は「先にお姉さんにしてもらうから、その間に考えといてね」と優しく告げ、娘は席に着きました。その際も私を見ることもなく、席について後ろを振り返ることもせず、ずっと前を向いてだまって固まっているのです。
何も手助けできない状況でみせてくれたパッション
助け船が出せない状況で私はガラス窓に映る私に気付いて!! と、念じながら、窓に向かって手を振ったり、口パクでサインを送ってみたり……。それでも全く見向きもしてくれません。娘の危機を救えない! 手出し口出しできない! 声をかけてあげられないという状況を初めて味わいました。
結局、私と目を合わすこともなく、黙ってじっとしていた娘の番がやってきました。
「はぁ……終わった……。泣き出すに違いない!」そう思って無力感でいっぱいの私。
すると娘、名前を呼ばれたら「ハイ!」と返事をして、スタスタスタと堂々と部屋の中央に立ち、ハキハキした声でしっかりと「小学校の校歌を歌います。学校が大好きだと分かってもらえると思うから校歌を選びました」そう言ってアカペラで校歌を堂々と歌ったのです。
あの時の感動は今思い出しても震えます。
結果は合格! 入団式には入団者代表に選ばれて皆の前でスピーチをさせていただきました。スピーチでは、石原さとみちゃんのような、おっちょこちょいな女優さんになって皆を笑顔にしたいと言っていました。自分で考えたスピーチでした。
自分で決めて自分の言葉で表現する
達成感でいっぱいのあの日の娘の笑顔。「自分でできる」を見せてくれたあの日から、娘も私も自分を信じることに挑戦し続けています。私にとっての非認知能力を育む子育てとは、こうした日々の生活の中で、自分にチャレンジする機会をつくること。
お金がかかるとか、面倒だとか、成果がでるのか? とか、先の結果を考えるのは大きすぎる。それよりも、「やってみたい」今そう思った気持ちを大切に、小さな一歩をたくさん経験すること。その中から必ず唯一無二の自分がみつかると信じています。
丸山慶子
根っからの人好き。育つ環境によって個性を発揮できなかった経験から、個性心理学・心の在り方を学ぶ。ボーク重子氏と出会い「自分を楽しむ」スキルを手に入れた私は羽が生えたかのように軽やかに生きられるようになりました。自分らしく自分の生きる軽やかさを感じてほしい!
その想いで、神戸を中心にイベントやセミナーを積極的に企画開催しています。