2022.10.04
「非認知能力との出会いで変わった日々」非認知能力で、ママの毎日と育児をHAPPYに!BYBS連載コラムvol.7
グローバル社会でとても重要な能力として注目される「非認知能力」。
IQや偏差値など、数値化されたものや知識などを認知能力と呼ぶのに対して、自己肯定感、自信、主体性、自制心、やり抜く力、回復力、共感力、社会性など目に見えない数値化されない能力を「非認知能力」と呼びます。人間力や生きる力とも言われます。
近年日本の子どもの自己肯定感と幸福度の低さが問題視されていること、2020年の教育改革に豊かな人間性の育成などとして織り込まれていることもあり、非認知能力教育への関心が高まっています。ちなみにアメリカでは20年以上前から行われています。
とはいえママ自身が学校で習ったことがないという場合が多いと思うので、どうやって非認知能力を育んだらいいのかわからない方もいるのではないでしょうか。
そこで、MOTHERS編集部ではデスクメンバーのボーク重子さん率いるコーチングのプロフェッショナルチーム“BYBSコーチング”の皆さんに非認知能力の育み方を教えてもらう連載をスタートします!
ママ向け・子ども向けに、日常の中で非認知能力を高める、小さなコツやポイントなどを発信していきます。
今回紹介してくれるのは青山みえさんです。
非認知能力との出会いで変わった日々
ここ最近は学校での学習指導要領が変わったこともあり、“非認知能力”という言葉を聞かれることも多くなったのではないでしょうか。
非認知能力はテストや偏差値などのように数値化することのできない自己肯定感や自信、コミュニケーション能力、やり抜く力など生きる力の総称をいいます。
私が非認知能力という言葉に出会ったのは2018年。長男5歳、長女4歳、そして次男を妊娠中のことでした。
当時、我が家は絵にかいたようなワンオペ育児をしていましたが、その元凶は仕事の忙しい夫だけではなく、元来完ぺき主義で、人に頼ることが苦手な私にもあったように思います。私は「あれもすべき」「これもすべき」「ふつうはこうだよね」「皆はきっとこうしているよね」と、判断基準が“他人からどう見られるか”にありました。
このように判断基準が「周りからどうみられるか」にあると、子どものしつけの際にも影響が出てきます。「~しなさい、~するべき」を子どもにも押し付けてしまうのです。そして、まわりからみても“おりこうないい子”を育てる。そしてその基準にあっていない子は……。
あれ? 私、自分がされてきたことと同じような子育てしてない??
はっとしました。「なんて自分は完璧主義なのだろう」とか、「人に頼らないなんて自分で自分の首を絞めているな」と感じていたのに、その自分が「出来ることが良い」、「出来ないことは悪い」と判断し、完ぺき主義につながる育児をしている……。
私はこの子たちの個性をしっかり認めてあげられているのだろうか? これから先、彼らの好きなこと、やりたいことを否定せず、周りの目を気にせず、心から応援して見守ってあげることができるのだろうか。
これじゃダメだ! 別の方法を探そう!
そうして出会ったのが、非認知能力を育む育児でした。私達の世代は“非認知能力”なんて言葉は聞いたことがなかった世代。でも非認知能力という言葉に出会い、意識し、行動していくと、自分を大切にすること、つまり、自分の良いところも悪いところもそのまま肯定する自己肯定感が何より重要なのだと思うようになりました。
そして、これまで自分の中の常識や、当たり前だった悪い習慣をアップデートするように変えていきました。
自分を大切にしていくと心が穏やかになったり、自分を許すことができたり、子どもたちや家族の意見を素直に聞けるようになったり。いいことがたくさんあって、育児をより楽しめるようになってきました。もちろん家族にも良いサイクルが生まれています。
子どもたちは週末の朝、私が寝坊しても自分たちで朝ご飯を作ってくれたり、帰宅後シャワーをしたらお風呂洗いまで済ませてくれたりします。時間管理ができるようになって自主的に宿題をしたり、習い事にいくようになったり。ゲームは30分したら自分で電源を切ったり。
これって私は何かしたのでしょうか? 一緒にスケジュールを組む、声掛けをするということはやってきたけれど、もしかしたら私の意識や子どもに対する見方が変わったのかもしれません。
自分がやりたいことがあるから優先順位をつけ時間管理をする。疲れた時には疲れた~といってサボる自分を許し、ご飯をテイクアウトしたり、週末だらだらと寝たりする。そして、「ごめんね」ではなく、「休ませてくれてありがとう! 復ぁぁぁ活っっ!!!」とお礼を言う。
そうやって「きちんとしなきゃ!」と思っていた以前にはできなかった、私の中の当たり前の意識を少しずつ変え、全部自分でやっていたことをうまく手放せただけなんです。手放した分は家族それぞれが自分で考えて、出来るようになっていきました。
お母さんも自分を大切にしていい。お母さんも自分のやりたいことをやっていい。自分の好きなことを一生懸命に取り組んだり、時には挫折したり、問題解決しながらやり遂げていく姿は、子どもにとって何よりのお手本ではないでしょうか。
そんな活き活きと生きるお母さんをみて、子どもたちは大人になることが、将来が、楽しみになるのではないかなと思います。
最後に、非認知能力は行動することから育まれると言われています。これは完ぺき主義で失敗したくない気持ちから保守的だった私も体感しています。行動した人から変わることができる。この記事を読んで「やりたいことなんてない」「そんなことはいっても時間がない」なんてお思いの方がいらっしゃれば、そんなに大きなことでなくていいのです。
自分が昔好きだったことは何だったかな? 前にやってみて成功したこと、楽しかったことは? いま興味があることは? やりたかったけれど諦めたことはなかったかな? その中でできそうなことはあるかな? など、家族や子どもに向けがちな意識を、たまには自分に向けて欲しいと思います。
行動に移すには自分が「やりたい! やってみたい!」と思うことでないと動けません。大人も子どもも一緒です。主体的に自ら思うことで意識が変わり、行動に移せます。行動すると失敗もする。でもいいじゃないですか、失敗しましょう。だって子どもたちに言いませんか? 「失敗してもいいんだよ」って。お母さんも大人も失敗するんだ、こうやってやり直せばいいんだ、そんな姿を見せてあげることが、言葉で伝えるよりも何倍もの説得力があると思いませんか。
子どもの非認知能力を育んで、この先の時代をサバイブしてほしい! と思うなら、まずは体現している身近なお手本が必要です。そのためにたくさん行動して、たくさんチャレンジして、たくさん失敗しましょう。小さなチャレンジを続けていくと、チャレンジすることも失敗することも怖くなくなるはずです。
実は、このコラムも私にとっては人生の初挑戦です。成功するか、失敗するか、読んでもらえるかなんてわかりません。だけど、一生懸命考えて、一生懸命書いています。
まずはチャレンジしたこと、一歩踏み出したことを自分に花丸です! どんなことでも大丈夫。さぁ、あなたは何をしたいですか? 何にチャレンジしますか? 一歩進めた時はぜひ、成功か失敗かというジャッジではなく、その一歩踏み出したことを自分に花丸あげてくださいね!
青山みえ
非認知能力を育む子育てコーチングを提供中。
インスタ、AUDEEでは日々の気づきをUP。