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2022.07.15

FAMILY/家族・子供

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“しなさいと言わない子育て”とは!?著者ボーク重子&娘スカイに直接インタビュー!

MOTHERS編集部人気デスクメンバーで、非認知能力を育む子育てを提唱するライフコーチ、ボーク重子さん。このたび、サンマーク出版より『しなさいと言わない子育て』を出版されました。出版を記念して代官山 蔦屋書店にて、緊急帰国トークイベントが開催されることになり、来日されたボーク重子さんにMOTHERS編集部 編集長の小脇がインタビューを決行。今回はなんと、全米最優秀女子高生コンクールで優勝経験のある娘さん、スカイさんもご一緒です。「ママの好きなところは?」という質問に重子さんもドキドキワクワク! なかなか聞くことができない親子トークをお届けします。

緊急帰国トークイベントの様子。

 

「しなさい」と言わずにどうやって宿題をさせる?

小脇:『しなさいと言わない子育て』ということですけれども、重子さんはこれまでスカイさんに対して、「しなさい」という言葉を本当に言ってこなかったんですか?

重子:たとえば「勉強しなさい」、「宿題しなさい」ということは言ってこなかったですね。だって、スカイちゃんが宿題をしなくても私は困らないから。「しなさい」ってさ、私たち親だって言われたくないもんね。そんなこと言われた瞬間にやる気がなくなるもの。

小脇:でも、スカイさんは言われなくても自ら勉強していたということですよね。すごいなと思って。子どもは基本……勉強したくないじゃないですか(笑)。アメリカでは小学校3年生まで宿題がないと本に書いてありましたが、日本では1年生からあるので、なかなか自分からやらないという子へどうやって「しなさい」と言わずに促していけばいいでしょうか?

重子:親が一緒にやるの。子どもは先を見越す力がそなわっていないので、目の前の誘惑には負けちゃうんですよね。なるべくゲームやTVなどは目の前に置かないようにして、勉強する時間には、親も“ながら”じゃなくて一緒に隣に座って自分の仕事や勉強をするといいんです。

小脇:たしかに、家事をしながら「勉強しなさい」って言うよりも、親が一緒になってやる方がいいですよね。本に書いてあった「やってみよう!」という声掛けを息子に早速、試してみたんですよね。「このプリント楽しそう! ママもやってみようかな?」という感じで。そうしたら息子は「え? ママできるの? ぼくの方が早いよ~」って。さっそく効果アリでした!

重子:おぉ~、いいわね! 子どもはまだ自分で時間管理ができないから、親が同じ場所で仕事をする姿を見せていくというのが重要。本を読むのもいいし、勉強でもなんでもいいので、ひとりでさせるんじゃなくて、いっしょにやる。そうすることで、子どもは時間管理を自然と学んでいくのです。

 

最も効果的なのは「パターン化」すること

重子:「毎日、同じ時間に同じことをする」という風にパターン化するのも一つの方法です。習慣にすることが実はいちばん効果があるんです。集中力アップにもこの方法が役立ちます。「この時間にはこれをやろう」と決めて取り組むようにする、インターバルトレーニングというものがあって。すごく短い時間でもいいので、「15分やったら、つぎはゲームしよう!」というように。ポイントは、その子が好きなことで終わらせてあげるということです。「宿題が終われば楽しいことが待ってるな!」とワクワクできます。

小脇:ゲームがまったくダメということではないんですね。

重子:私たちだって息抜きは大事でしょう? それは子どもたちだって同じこと。ゲーム=悪ではなくて、使い方次第だと思うんです。やらなくてはいけないことを全部終えたら、寝るまでの時間は自由にさせていいかなと。そこまで管理する必要はないですよね。ねえ、スカイちゃんも、勉強が終わったあとは、夜寝る前に結構TVとか見てたでしょう?

スカイ:うん、見てたね(笑)。ボーッとしたりもよくしていました。

小脇:スカイさんは実際に「勉強しなさい」と言われなかったのに、コロンビア大学に行くまでの学力がついたわけで……。どうやって自分で勉強のスイッチを入れたんですか?

スカイ:何をするにしても、なんのためにそれをするのかを両親が説明してくれたんです。勉強するのは何のためなのか、大学に行きたいのであればこんな方法があるよというように。それを聞いて、どうするのか。我が家の場合は、選択肢が与えられるので、なんでも自分で選択をする必要があったんですよね。いつも自分で決めるという習慣が、力になったのかなと思います。

重子:自分で選ぶから、やるんだよね! 「やりなさい」じゃないんです。「いまこれをやっておくと、あとでこんなことがあるかもしれないよ。あなたはどうする?」って聞いてみて、それでも勉強しないという選択肢もありますが、それを親が決めずに自分で決めたから、責任を持ってやるんだと思います。

スカイ:あとはアメリカの学校では「探究学習」と言うのがすごく重視されていて。その時間は自分の好きなものをとことん追求できる時間。「time to shine」=その子が輝く時間という位置づけでした。

重子:そうなの! それとっても大事で。お稽古ごとでも何でも、自分の子が好きで、情熱を持って楽しめることなのか? を親が見つけるサポートをしてあげるのも大事ね。

 

親がどんな人生を生きているのか、背中を見せることの大切さ

小脇:「しなさい」と言わないことは、完全に放置するということではなくて、こういう選択肢があるよと、親が選択肢を与え、提案してあげることなんですね。

重子:そう! だから、まずは親自身が楽しく生きているのを見せることがとても大事なの! 「これをやればこんなに選択肢が広がるよ」といくら言っても、親が自分の人生に悲観的になって「選択肢がない」状態だったら、未来にいいことなんてないじゃないとなってしまうから。親がどういう人生を生きているのか、どんな姿を見せるのかが重要なんです。

小脇:ずばり、スカイさんにとって重子さんって、ママとして、女性としてどんな人ですか?

スカイ:わー難しいな……この質問(笑)。とても自立していて、強くて……、情熱的で、決断力のある人です。どんなときも、ねばり強く諦めないですね。

重子:たしかに。私はやると決めたら、諦めない(笑)。みんなそれぞれやりたいことや夢があるじゃない? 結果や完成形しか見えなければそこにすぐ行こうとするから大抵諦めちゃう。でも、目の前にある自力で出来ることを確実に少しずつやって、一歩一歩進むように時間をかければ実はいろんなことができる。もしそれが「オリンピックに出る」というような明確な戦いで、誰かに選ばれるようなものだと難しいかもしれないけれど、自分の力で叶えられることだったら、できると思うの。
実は、いちばん最初の本を出版するまで、私は7年かかって49歳で出せたんですね。もしも、50歳までに商業出版できなければ自費出版してもいいと思っていたの。それだって、出版は出版でしょう? ひとつの正解だけじゃなくて、いろんな正解が見えれば、ほとんどのことはできるんじゃないかなって。

 

子どもの意志を尊重してくれたママが好き!

小脇:たしかにそうですよね! スカイさんは、重子さんのどんなところがいちばん好きですか?

重子:ふふふ、そんなこと考えたことある?

スカイ:あんまり考えたことないけど……(笑)。いい母親っていうのは、いつも子どもを応援してくれる。私がやりたいことを、私のやりたいようにさせてくれて、応援してくれる。そういう環境をつくってくれたことがいちばん好きというか、感謝していますね。

重子:私はいつも子どもを見守るという姿勢をとってきました。でも放置して野放しにするのとは違うのよね。見守るというのは、本人がちょっとがんばればできるかなということは、あえて助けない。できなさそうだったら、少し手助けするとか。その手助けも、その子が自分で解決法を見つけられるような手助けをしているんです。たとえば「こういう人と話してみるのはどう?」とか「こんな本があるよ」というように。

小脇:なるほど。2歳半の娘に、いままでボタンをかけることはひとりではできないよねと思って、やってあげていたんですね。でも重子さんの本を読んで、私がやって見せたらいいんだと知って、私がボタンをかける姿を見せたんです。そうしたら、娘は自分でできたんです! この先成長していったときにも、親がさりげなくちょっとしたお手本を見せてあげたらいいのかなと感じました。

 

人の助けを借りられたら、もっと遠くへ行ける!

重子:問題解決をするときに自分ひとりの力って限られているから、私自身いろんな人に話を聞いたり、ティム(夫)やスカイちゃんに言ったりして。誰かの助けを借りるっていいよね。

小脇:今年、息子が小学校に入ったんですけど、ちゃんと周りの人に「助けて」って言える子どもになってほしいなと思っていたところなんです。

重子:そうそう。私が周りの人たちよく言う言葉があってね、「ひとりでやったら早いかもしれない。でも、みんなでやったら遠くに行けるよね」っていうことなんです。

小脇:イベントでのお話の中で、「ママとの想い出でスカイさんの記憶に残っていること」という話題がありました。スカイさんは「ママは自分が悪いと思ったらすぐに謝ってくれた」と言っていましたね。その出来事がボーク家の対等な子育ての象徴だと思うのですが、実際は親が子どもに謝るってなかなかハードルが高いと思っている人も多いそうです。

重子:えー!? そうなの? 悪かったら相手が子どもであろうと謝るだけだよ。逆にビックリ!

小脇:私も謝るタイプなんですね。だけどこの前、息子の水泳スクールの参観に仕事でトラブルがありどうしても間に合わず、見られなかったんです。で、お迎えの際に息子に「間に合わなくて本当にごめんね!」と何度も謝ってたら、ほかの保護者の方に「仕事だったんだし、子どもにそんなに謝るの何で?!」って言われて。だってこの子は絶対見てほしかったはずだし、約束を守れなかったのは事実だしって思って。例えばこれが仕事相手だったら大問題だし、まずはすぐに謝りますもんね。子どもに対して謝らない人は、親子が主従関係だとどこかで思っているんじゃないかなと思いました。

重子:そうね、それは多いかも。でも子どもの自己肯定感を育みたければ、親は子どもと同じ目線になってあげることはとても大切です。

 

これからの人生、スカイさんの未来予想図は?

小脇:いまスカイさんは23歳で、社会に出たばかりだと思いますが、これからどんな風に生きていきたい、というような未来予想図はありますか?

スカイ:ちょうどそれを考えていたところで。いちばん大切に思っていることは「社会の役に立つ人になる」ということ。でも、まだどんな風にしていけばいいかはわからないけれど、これからロースクールに行くつもりなんです。

小脇:え! いま、全然職種も違うけれど……弁護士になるの!?

スカイ:かもしれない! まだなれるかもわからないけれど、挑戦してみたいと思っているの。

小脇:コロンビア大学を出て、世界的に有名な企業にお勤めならば、もうそこで大満足! という人が多いと思うんですけど……。

スカイ:だって、まだたった23歳で、ここで自分の可能性がもうおしまいっていうのは悲しいと思いませんか? 23歳で自分の人生決めちゃうなんてもったいない! って思っているの。

小脇:素晴らしいですね! これはあくまでも一般的な感覚の話ですが、安心していられる企業にお勤めだから、そこにずっと居ようと思っても不思議じゃないのに……。さらに挑戦を続けるというのは、やっぱり重子さんの教えからなんでしょうね。

重子:え、私だったら「Yeah!I‘m top of the world!」って言っちゃうかもね! なんて(笑)。

小脇:ほんとに! そう思ってもいいところですよね。それでもまた自分で新しく道を切り拓いていこうとするスカイちゃんはかっこいいです。

スカイ:周りの友達もそんな人が多いのもありますね。常に挑戦するという考え方の人が多いのかも!

 

影で支える、パパの偉大な力

小脇:重子さんの「最高の子育て」で、こんな風に立派に育ったスカイさんですが、あまりお聞きする機会がなかった、パパについてお聞きしたいんです。パパって、どんな人ですか?

スカイ:思いやりのある世界一素晴らしい人だと思います。

重子:ママのときよりすぐに答えが出てきたわね(笑)。この前、自己肯定感の低かったママが、こんな風に変わるのに何がいちばんの助けだったか? ってスカイちゃんと話していたんです。それは、やっぱりティム(夫)だなって。自分に自信がなかったときに、「重子はなんでもできるよね!」とどういうわけか、私を信じていつでも肯定してくれていたんです。それがあったから私の自己肯定感が上がったし、何があっても挫けないでやってこれたなと。いまの私は、ティムがいなければいません。本当に思慮深いし、話もよく聞いてくれるし、最高の夫で、最高のパパです!

小脇:スカイちゃんが13歳か14歳のときに、重子さんがティムさんに「スカイちゃんが私の言うことを聞いてくれないの!」と言ったことがあったそうですね。そのときのティムさんの回答が冷静で素晴らしいですよね!

重子:そうそう、そのときティムに「だってそんな風に育ててないでしょ?」って言われてハッとしたんです。「ああ、そうだった。よかった」って思ったんですよね。親の言うことをそのまま聞くような子に確かに育てていないわって気づいて(笑)。その時期って、いわゆる日本では「反抗期」と呼ばれていますが、「第2次自己主張期」が正式な名称なんです。親と違う意見をもっているだけで、親に対する攻撃とは違うんですよ。だから反抗している! と思うのではなく、主張が出てきたんだなと認めて、上手に受け流すことが大事ですね。

小脇:ちなみに2〜3歳頃の「イヤイヤ期」が、「第一次自己主張期」なんですよね。だからイヤイヤも、反抗も日本だと本当に大変な時期だ! と思いがちですが、自己主張できない子どもになったら困る……と考えればなんとか乗り切れそうです!

 

可能性を秘めた日本の子どもたち

小脇:スカイさんはずっとアメリカに住んでいますが、日本の教育に対して何か思うことはありますか?

スカイ:そうですね、日本はまずとても素晴らしいと思います。真面目だし、知識もすごくみんな持っている。でもこれからはやはり、想像力やその人ならではのオリジナリティを伸ばしていくことが必要じゃないでしょうか。自分だけでなく、他者の個性、多様性を受け入れていくことも求められていると思います。

小脇:そうですよね。本を読んでいて私は、逆に日本は伸びしろがあるんじゃないかと感じたんです。というのは、本に書いてあった「基礎学力」の高さや、「ルールを守る」というような認知能力は日本の子どもたちにはしっかり備わっていますよね。それは世界に誇るべきところだと思うんです。だから、そこに非認知能力が加われば、もはや世界一の教育ができるのでは!? と思えたり。多くの人に重子さんの考え方「非認知能力を伸ばす方法」を知ってほしいですね。

重子:本当にそう思います。そのためには、まずはママがHAPPYに! そしてママの自己肯定感をあげることが本当に重要で。非認知能力の大切さはだいぶ広まってきたけれど、正しく伝えていく必要があるなと思っています。
非認知能力に格差があっちゃいけないのよ。多くのママに非認知能力育児を知ってもらって、子どもたちもママも幸せになってほしいです!
マンガを挟みながら、子どもの伸ばす非認知能力育児が楽しく学べる本、『しなさいと言わない子育て』。
「習い事は2つまで」や「1日30分の空想ルーティーン」などなど、具体的にわかりやすく解説されています。子どもが変わる小さなしかけが満載です。ぜひ、みなさんも読んでみてくださいね。

今回MOTHERS編集部デスクメンバーの上紙夏歡さんがこの記事をライティングしてくださいました!

 

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文:上紙夏歡

MOTHERS編集部

MOTHERS編集部 運営チーム・STAFF

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