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2021.06.09

FAMILY/家族・子供

月1の鬼がやってくる #生理と性を考える

今日、友人からメッセージが届きました。

 

「生理前、気分が落ち込んで悲しい。全部にイライラして、子どもたちにあたっちゃう。」

 

私はその時、相談にのりながらも自分のことのように胸が痛みました。

私も出産以降同じことで悩んできたからです。

 

 

私には月に一度、

得体のしれない不安に襲われたり

些細な事にイライラしてしまう数日間があります。

 

そういうときに限ってネット記事やテレビで

「子どもを守るため」の言葉や記事が、嫌でも目に入ってきます。

 

「子どもに怒りをぶつけてはいけない」

「子どもに言ってはいけない言葉」

「母親としてありえない行動」

「怒鳴ったら前頭葉が委縮」

「子どもを叩いたら虐待」

 

逆に私の求めている答えは、どこを探しても書いていません。

読めば読むほど、余計に苦しくなって

「自分は母親失格だ」なんて自分を責めるようになります。

 

 

いつだったかニュースで、

あるお母さんが子どもに怒鳴っている声が公開されて逮捕されたと知りました。

 

そのお母さんの行動を肯定することはもちろんできないけれど、とても他人ごととは思えないし、

疲れの蓄積とホルモンバランスの乱れによっては

このお母さん以上のことだって、私もしてしまうかもしれないと震えました。

 

どんなに母親の行動が非難されようが

母親が一番子どもを守りたいに決まっています。

子どものことを想うからこそ割り切れないし、

自身の体調の変化や心のSOSにも気づけないほどに頑張ってしまう。

そうして自分を追い詰めて、大切なはずの子どもにしわ寄せがいくのです。

私もそんな経験があります、数えきれないほどです。

 

たぶん「今」母親をしている人なら

だれでもギリギリの瞬間があるんじゃないかなあ。

お母さんって、やることが多すぎる。

 

数か月前、あまりにも仕事が忙しく、子どもたちも新しい学年にあがって間もない時期に、

私は体調を崩してしまいました。

さらに外出自粛が続き、休みの日もごはんづくりと後片付けに追われ、家は散らかり、

イライラして子どもたちにあたってしまうことが多くなりました。

 

でも、そんな自分に嫌気がさした私は

自分の体調やホルモンのことを正直に子どもたちに話すことにしました。

 

お母さんね、月に一度体も心もコントロールできなくなってしまうことがあってね。

いつもは許せることも、腹が立ったり、悲しくなったりしてしまうんだ。

理不尽に怒ったりして嫌な思いをさせてしまうことがあったと思うけど、ごめんね。

 

そんなことを子どもたちに、自分が落ちついているときにゆっくり話しました。

 

まだまだ幼稚な男の子たちがどこまで理解できるかはわからないけれど

何があっても息子たちを一番大切だと思っていることが伝わってくれたらいいなあ、という気持ちでした。

 

フーンと聞いていた長男はすぐに

「俺もさ、腹減ってるとき、すぐ怒っちゃうもんね! そん時はごめん!」と、明るく笑いました。

 

うわあ、確かに!

子どもがあっけらかんと言ってくれた言葉で、私は急に元気が出ました。

 

人ってけっこう、そういうもんなんだ!

人ってけっこう、目に見えないものに支配されているんだ!

 

ホルモンとか生理の話だけじゃなくて、

思考も、人間関係も、家庭環境も

仕事も、ストレスも、体調も、空腹も。

 

目にみえないもんなあ。

 

そうかそうか。

女性だけじゃなく

大人だけでもなく

子どもたちだって

みんな頑張っているし、我慢もしている。

100人いたら100通りの、目に見えないものを抱えているんだよなあ。

 

家族でも

他人でも

その人の背景にある見えないものを少し想像してあげることが

関係をサステナブルにする一歩なのかもしれないな。

周りが理解したり、思いきって休んだり、適切な治療をしたりしながら

自分を責めないで、うまく付き合っていければいいんだ。

そう気づかせてもらったあの日から

私が子どもに怒るまでの時間が、30秒間ぐらい伸びたような気がします。

私たちにとって、とても大きな30秒間なのです。

須藤 暁子

医師、作家、2男児のママ。
子どもから学ぶ「育自」と「命の尊さ」を伝え支持を得る。

医師、作家、2男児のママ。
子どもから学ぶ「育自」と「命の尊さ」を伝え支持を得る。

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