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2020.12.16

FAMILY/家族・子供

SDGs

自分と家族、応援したい生産者さんのために、そして地球のために意識的な選択を #食べること、生きること

「食」とは生きる上での根本であり、永遠のテーマ

「食べること、生きること」
「食べたものが私になる」
「食は人を良くすると書く」
食にまつわるワードってたくさんありますね。

それだけ「食」というのは生きる上での根本であり、永遠のテーマですよね。

私自身も、8年前に長女を妊娠したのをきっかけに、本腰を入れて食について学ぶようになり、その奥深さにどんどんハマって、ファッション業界から食の世界へと少しずつ傾倒していき、仕事として活動するようにもなりました。

大きく分けて17カテゴリーあるSDGsの目標でも、そのほとんどが追っていくと結局「食」に繋がっていくと思います。

ただ、全てを一気に取り組もうとすると頭も体もオーバーヒートを起こします。だって、ただでさえ私たちは仕事やら子育てで忙しい!

そこで今回は、「発酵食品」に絞って焦点を当て、どんな風にSDGsと繋がっていくか、それが自分や家族の心身の健康、そして巡り巡って地球の健康に繋がっていくかを、一応発酵食スペシャリストの資格を保有する私なりにシェアしたいと思います。

日本の食文化を育んできた発酵食品

なぜ「発酵食品」か。それは、日本の食文化そのものを育んできたのが発酵食品と言っても過言ではないからです。

味噌、納豆、かつお節、ぬか漬け、醤油、みりん、酒、酢……調味料としてほぼ毎日のように使う身近なものも立派な発酵食品です。それ以外にも、日本には世界でも珍しい発酵食品がたくさんあり、私たちの先祖はそれらを食べて暮らしてきました。

「地産地消」という言葉があります。地元で生産されたものを地元で消費すること。日本は現在、カロリーベースで食料の約6割を海外からの輸入に頼っている食料輸入大国です。

食料を外国から輸入するということは、さまざまな輸送機関を通じ、多くの時間と距離、エネルギーをかけて食料を運んでいることを意味します。温室効果ガスの発生など、フードマイレージの観点からしても、地球環境負荷に影響を与えます。先ほど挙げた味噌、醤油、納豆の欠かせない原材料となる大豆でさえ、国内での自給率は7%と言われているほどです。

ですので、地産地消を意識し、国内で生産されたものを国内で消費する(食べる)ことは、食料自給率をあげるためにも、地球環境負荷を少なくしていくためにも、重要なことだといえます。

ただ、全てをそうしようとすると途端にしんどくなりますよね。だから私は良い方を前向きに見るように心がけています。

「発酵食品」に話を戻すと、例えば、味噌、醤油、みりん、酒の原材料の一つに、「麹」があります。麹菌は日本の環境でしか増やせないカビ(微生物)であり、2006年に日本醸造学会によって「国菌」に制定されています。

世界196カ国の中で日本だけの国菌……すごくないですか?! そんな素晴らしい発酵の主役を、フードマイレージの観点からも、健康の観点からも取り入れずにはいられません。

健康の観点でいうと、発酵食品は、善玉菌を生きた状態で含んでおり腸内環境改善にも良く、うまみ成分が豊富なので、なにより美味しくいただけます。風味や香りも良く、五感をビシバシ刺激してくれて、食の満足度が飛躍的に上がる。私も意識して取り入れるようになってから、それをものすごく実感しています。あと、家族もよく食べてくれるように!

このようにみていくと、普段何気なく手にしているものをなんとなくではなく、少し意識するだけでも、「食」の見方が変わったり、視野が広がったりする気がしませんか?

私たちが今からすぐにできること

最後に、今からすぐにできること。それは、「基本調味料の見直し」です。まず、ぜひ、今一度、ご自宅にある醤油やみりん、味噌などから見直してみてください。商品の原材料をチェックする。これは私にとって歯磨きと同じぐらいマストです。

例えば、醤油の本来の原材料は、大豆・小麦・塩のみです。それに麹菌が加わりゆっくりゆっくり発酵し、職人の方々が毎日愛情と手間隙かけて見守り、熟成していきます。

でも、大量生産されているものは、いかに安く大量に作るかが目的のため、熟成に時間をかけていられません。だから本来必要でない添加物などを足して足して、熟成した味に似せて作っていくのです。先ほど挙げた原材料以外のものが書かれていたら、それは本来必要のないものです。そして似せて作っていても、本物の天然醸造のものと比べると、味は“一味瞭然”というか、コクや旨味、深みが全く違います。それは子どもの味覚形成にも関わってきます。そして味だけでなく、健康にも関わってきますよね。

また、安く売られているものは、ほとんどがプラスチックボトルに入っています。こだわった天然醸造の醤油は瓶に入っていることがほとんどです。捨てる時のことも考えると、今地球環境で問題になっているブラスチックを選ぶのか。ここも選択のポイントになってきますよね。

結局、本来の天然醸造のものは、原材料や充填容器だけをとっても、大量生産のものに比べて地球を汚染せず、適正価格で高いわけではないのです。その価格がデフォルトなんです。生産背景を知れば知るほど、今までの大量生産の仕組みが過剰すぎたのだと気づきます。

(私のお気に入りの基本調味料です)

“Less is more.”本物は引き算だと思います。人間の健康は地球の健康に繋がっている。

そして、買い物は投票とも言えます。市場原理では、みんなが選んだものが残り、選ばなかったものが消えていく。私たち消費者一人一人が何かを選択する行為は、ものすごくパワフルであり、いかに影響力があるのかを改めて思い知らされます。

私はこれからも、自分と家族のために、応援したい生産者さんのために、そして私たちを住まわせてくれる地球のために、できるかぎり意識的な選択をしていきたいと思っています。

それは健康的でなにより美味しくて、ヘルス・ビューティー、ウェルネス、エシカル、食育の本質が詰まっていると思っています。

そして調味料や食材の選択は意識しながらも、たまにはチョコとか煎餅とか、食べたくなった時は罪悪感なく食べちゃう! サステナブルに続けていくためには、そんな精神的バランスも大切ですよね!

(暮らしに役立つ形で楽しく始められたらという想いから、発酵と循環に特化した「プクプクワークショップ」も主宰しています。楽しい美味しいが一番です)

浅倉 利衣

コラムニスト。
食・教育・ウェルネス・エシカルを中心に発信。

コラムニスト。
食・教育・ウェルネス・エシカルを中心に発信。

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