2020.12.25
普段お菓子作りなんて全くやらない私が手作りケーキにこだわる理由 #食べること、生きること
料理が特別好き! とか、食育に気を使っている! とかそんなことは一切なく、食に関して何も偉そうなことなど言えない私ですが、ひとつだけ、「子どもの誕生日には手作りケーキを用意してあげたい」という小さなこだわりがあるのでそのお話を、少し。
今回コラムのテーマをいただいたのが偶然にも長男の誕生日直前だったこともあり(ラッキー!)、「どんなケーキがいい?」と張り切ってリクエストを聞いてみたところ「チョコレートのやつがいい!」とのこと。チョコレートケーキはあまり作ったことがないけれど、君が食べたいと言うならお母さんは頑張ります。
普段お菓子作りなんて全くやらない私が、なぜ手作りケーキにこだわっているかと言うと……
私自身、子どもの頃の誕生日には母がケーキを焼いてくれていて、ふだん煮物とか焼き魚とか渋めメニューが多い田舎の家だったこともあり、なんだかすごく嬉しかった記憶が今も残っているのです。割と厳しめの母だったので反発していた部分もあったのですが、そうやって丁寧に誕生日をお祝いしてもらっていたことは今の自分を形成する大切なパーツのひとつになっているのかなと。今思えば、ですけど。
生地を焼いているときに部屋に充満する甘〜い匂いとか、デコレーション用の果物をつまみ食いさせてもらったこととか、「作る・作ってもらう」工程そのものがイベントで、完成に向けてワクワクが高まっていく感じがなんとも楽しかった記憶があり、それを自分の子どもたちにも体験させてあげられたら、と思って年に1、2度だけ腕を振るうのです。
さて、今年はたまたま週末に重なっていた誕生日。朝からケーキ作りの準備をしていたところ、長男自身が「ぼくもやりたい!」と寄ってきました。計量した材料を並べて横から手順を説明すると、生地作りの部分はほぼ1人で作業してくれました。もちろん途中で溶かしたチョコをぺろぺろ味見しながら!
デコレーションは時間がなくて私がやりましたが、息子との合作で美味しいケーキが完成したし、お菓子作りを手伝ってくれる成長した姿も見られたし、素敵な誕生日になりました。
そして今年はケーキ以外にクッキーも焼いていて、オリジナルの手彫りスタンプを使ってラッピングしたものも事前に用意。クッキーは、私も息子も大好きなあの漫画をイメージ!
手作りケーキと少し理由は似ているのですが、個別に丁寧にラッピングされているプレゼントってなんだか嬉しいですよね。こちらも喜んでくれたので良かったです。
もちろん子どもたちはお店で買ったケーキでも大喜びしてくれると思います。
けれど、「誕生日にはお母さんがケーキを焼いてくれた!」というほんの少しの「特別感」が何かキラキラした思い出のひとカケラになってくれたらいいな、と思いながら、たぶん来年も再来年も母はケーキを焼くのです。