2020.11.24
自己肯定感は自己受容から始まる #自己肯定感って、なに?
変わっていないのは「教育」だけ?
自己肯定感を高めるためには、といった記事や本、なんだか最近よく目にする機会が増えている気がしませんか?
そういった記事や本が読まれるのは、実際に自己肯定感が低くて悩んでいる人が多いという事実があって、じゃあなんで低くなるんだろう? とその背景や問題の根本を自分なりに見つめてみました。
私が思うに、ずっと変わっていない「教育」も大きな要因の一つだと思います。
自粛期間中に、「エシカル・コンシェルジュ」という講座を受けました。その中で、聖心女子大学文学部教育学科の永田佳之先生の講義があって、それがとても身につまされる内容だったんです。車も電話もあらゆるものがこの100年で激変しているのに、教育だけ変わっていないと。永田先生は、2021年教育出版から出版される中学1年生の国語の教科書の中で、「これからもっと予測不可能な時代を生きていく若者たちには、おのずと正答が求められる教育ではなく、答えのない問いを仲間と話し合い、自身の中で深め、「問い」とともに歩んでいくことが大切」といった内容を執筆されています。
とはいえ、私も以前の教育で育ってきたし、それを否定するつもりはありません。学校の先生という職業は本当に大変で、もっと評価されるべき職業だとも思っています。ただ、時代は変わる。30年以上前に必要だと思われてきた教育が、今通用するとは限らないし学校が全てでもない。ただなんとなく今までの既成概念の道を辿るのではなく、いろんな側面から自分の意識で見直さなければ。それは、このコロナ禍で個人的にもすごく感じたことでもあります。
勉強って親や大人が命令してするもの?
自己肯定感の話に戻すと、資本主義社会における教育は、偏差値・点数などで優劣や勝ち負けといった明暗がくっきり見えるような小さな競争社会という見方もできます。
そうすると、他人と自分を比べて劣等感を感じたり、「うちの子もあの優秀な子のように!」と親も無意識のうちに習い事や塾で子どものスケジュールを埋め、親子共々やらなきゃいけないという観念に押し潰されそうになったりする。
私は休校中、娘のオンライン授業についていくのに必死になり、焦りの渦中に入り込み、すごく娘を急かしたり「なんでこんなのもできないの!」という言葉を浴びせたりもしました。娘も私自身も精神的に疲弊してしまった時に、つい何かに必死についていこうとしていたことや、誰かと比べ彼女のありのままを見てなかったことに気がつき、ハッとしてすごく反省したんです。
そもそも勉強って親や大人が命令してするもの? やらなければいけないリストやこうであるべき概念でいっぱいのまま、優先すべきところが自分ではなく他人になっていることが引き起こす影響ってなんだろう? 他人の評価軸でそのまま育って大人になった時に「さぁ、好きなことをしなさい」と言われたって、今更どうしたらいいのか分からなくなるのでは?
そんな風に色々思ったんですよね。
私が今大切にしていること
そういった体験もあり、私はもっと感覚的なものを大切にしようと思いました。
子どもは衝動的に感情を表現したり動いたりするのが得意。自分の強みや弱みがどうとか気にせず、ただありのままで感情を表現している。それは私たちもそうだったはず。
でもいつしか、こうでなければいけないという枠組みにハマって、自分の弱さを否定したり、それを隠そうとして自分に対して否定的な気持ちが募ってしまったり。そういうところ、自分にもあったなぁと思うんです。
だから、私が今大切にしていることは、子どもが癇癪を起こしたり落ち込んだりしても、その衝動的な思いをただ受け止めてあげる。「そうなんだね」「これがやりたかったんだね」「つらかったね」。感情を横に追いやらず、あるがままの自分を抵抗せずいったん受け止める。それが自己受容の始まりで、そこから自己肯定感に繋がっていくのではないかないかなと思っています。
そしてそれは、親である自分が自分に対してしていることで自然とできること。「忙しい」は心を亡くすと書きますが、忙しいのが悪いというわけではなく、その忙しさのあまり自分の心の声を聴いてあげられていないと辛いし、子どもの感情も受け止める余裕もなくなる。
以前の私は、つい頑張りすぎてしまうところがあって、今でもそういう面は持ち合わせていますが、今は眠い時は無理せず寝るとか、あれ食べたいなこれしたいなと思ったら素直にそうしてみるとか、嫌だなと感じるものはやらないとか、自分の感情や感覚と会話するように過ごすことを意識しています。これは学校に頼らず家でできること。
そして、子ども達にも、自分の弱さや不完全性を見せながら、あなたも完璧じゃなくていいんだよということも伝えていきたいなと思っています。みんな違ってそれがいい。たぶん、その方がもっと楽な気持ちで、そして他人をも尊重しながら生きていけるはず。言葉で言うのは簡単ですけどね(笑)。 現代は親も子も忙しい。だからこれからはもっと昔のように、地域でなり、社会でなり、このMOTHERS編集部に関わる皆さんと共に、みんなで子ども達を優しく見守っていけるようになったらいいなと思っています。